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青 side
食事が終盤に差し掛かった頃、北斗の不随意運動が酷くなってしまって。
自分の意思では、どうにもできないからこそもどかしくて。
慎太郎が機転を効かせて、俺たちにもどうしたらいいか指示を出してくれたんだけど…。
机をどかすのが間に合わなくて、北斗の足がぶつかり、一枚お店のお皿を割ってしまった。
お店の人は怒るどころか、心配してくれたんだけど、気にしいな北斗はお店を出てからぼろぼろと泣いてしまった。
俺たちも北斗の成長を目の当たりにしたことと、久しぶりの再会に胸が高鳴っていた事もあって北斗が苦しんでいるのに気がつくのに遅れてしまった。
沢山泣いたからか、北斗は意識を奪い取られたように今は車椅子の上で眠っている。
青「ごめんな北斗。リサーチ不足だったわ。」
個室ってことに気を取られて、広さはあまり重視していなかった。
もっと広々としたところだったら、こんな事起きなかったのかもしれない。
やっと外向的になってきた北斗がこれを機にまた塞ぎ込んでしまうのではないかと不安が押し寄せる。
緑「そんなことないよ、樹。樹がお店を見つけてくれたから俺たち楽しい時間過ごせたわけだし。北斗も美味しそうに食べてたよ。」
「まあ確かに、最後は上手くいかなかったけどこういうこともある。北斗と生きるってそういうこと。だから俺たちが一回一回沈んでたら、北斗はもっと気にしちゃうよ。」
青「慎太郎…。」
赤「らしくないって樹！まぁ、北斗のケアはじぇすちゃんにお任せあれ！新ネタ披露したらほくちゃんはきっとご機嫌さんなるよ。」
黄「新ネタには期待してないけど、まぁジェシーの手にかかればちょちょいのちょいだろうな。」
北斗には、障がいがある。
1人では生きていけない。
けれど、1人で生きていけないのは健常の俺たちだって同じ。
誰かを支えて、別の場所では支えられて。
人はそんな風に生きている。
俺たちは、人間だ。
1人では、生きていけない。
fin
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作者名：ばにら | 作成日時：2021年10月21日 11時
