微睡み (ページ34)

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黒 side

黒『りゅくぃ、すぷん、はいてぅ(リュックにスプーン入ってる)』

緑「おっけーい！取るね。」

腕が拘縮していて、握る力が弱い俺はグリップ付きの握りやすいスプーンで食事をする。

青「エプロンつけるね。」

黄「ほい！これ北斗のリゾット。あちーからな。気をつけて。」

前に会った時はまだ俺は1人でスプーンも上手く握れなかったから、自分で口元にリゾットを運ぶ俺を5人が見つめる。

自分の意に反して腕や足が動いてしまうせいで、途中エプロンの上に落ちてしまうけれど。

なんとか一口、リゾットを口にした。

ふんわり鼻に抜けるチーズの香りが最高だ。

赤「すごい！ほくちゃん1人で食べられるようになったんだね！」

緑「やるじゃん北斗。うぇーい！」

たった一口食べただけ。それでも皆は俺の車椅子の周りに集まって俺の顔やら手やらをこねくりまわす。

まだまだ自立には程遠いけど、少しずつ俺も成長してるんだよって事を見せることができた。

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