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49、本気なんで ページ49

レギュラー争奪戦。今回は誰一人としてレギュラーから外された者はいなかった。


それこそ気持ちがふわふわとしていたAだったが、木兎と仲直りをしたおかげかプレーに集中する事ができた。
しかし全国を狙うには全くと言って良い程足りない。


「本気で全国目指してるのか分からないって岬姉に怒られちゃってさ」


「まぁ合宿で疲れたんだよ。ゆっくり休みな?」


「……うん」


理由は分かっている。けれどもそれを夏目には伝えられないでいた。


「てか久々のOFFだったのにごめんな?やっぱ夏休み中で学校もないし、お前に会いたくて我慢できなかったw」


そう無邪気に笑う夏目の膝の上で、Aは複雑な心境に侵されていた。


「全然大丈夫だよ」


「……お前、なんかあった?」


だから少し冷たく返事をしてしまったのだろう。
今思えばあの時の木兎の様だ。


すぐさまそれに夏目が反応し、バックハグの威力を強める。


「どこにも行くなよ?離れたらデコピンだから」


「何それw」


夏目の真剣な声にAは動揺を隠そうと、必死に笑う。
だが夏目にはお見通しだったようだ。


「なんでお家デートしよって言ったかと言うとな。Aとちゃんと話がしたかったんだ」


Aを離し、向き合う形で座り直す。


「元々Aは俺が好きって訳じゃない。けど俺はお前の彼氏だ。だからAが他の奴を好きになったら一大事なんだよ」


耐えきれなくなり、Aは夏目との視線を逸らす。


「しかもその相手がAの事好きって、俺はどうしていいか分かんねぇ。だから俺なりに答え出した!」


すると夏目はAの頬を手で優しく包み込む。


「俺がお前を惚れさせるから。だから一ヶ月。一ヶ月だけ時間をくれねぇか?」


しっかりと視線が混じり合い、Aはゆっくりと深く頷いた。


「夏目、なんで全部分かってたの、?」


「そりゃあ彼氏ですからw」


そう笑う彼には一生敵わないのかもしれない。

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作者名:もやし | 作成日時:2020年10月22日 23時

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