女装男子キタヤマ-３

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ー４月ー






「ひろー…」



北「なんだよ」



「不安やねん…」



北「は？」



玉「俺も不安やねん…」



北「お前説明会でモテモテで満更でもない感じだったじゃねえか！」









無事、Aは少しの記憶を取り戻した。



俺と付き合ってたことはまだだけど。



世話役してたこととか、

俺が女装してたこととか、

たまと都会を疾走したこととか



だけど今、俺たち３人は笑えてる。



全部思い出さなくたっていいんだ。



あの時、
















「私、すきって言っただけ」



北「………」



「ひろも、すきって言っただけ」



北「………」



「お互い嫌いなんて言ってないんだから忘れられるはずないじゃない」









っていうのが、少し引っ掛かる。



もしAが記憶を全て取り戻したら
俺のことを好きだと言うのかな。



それとも、近くに居るたまのことを
好きだと言うのかな。



もう、どっちでもいいや。









北「まあとにかく、がんばれよ」



玉「投げやりだな〜」



「ちっちゃいくせに」



玉「ちっちゃいくせに」



北「ちっちゃいくせに余計だろ！」



「まあまあ。さ、行こゆうくん」



玉「ね、行きましょAちゃん」









俺は、ふたりの小さな背中を見送る。



ふと横を見れば横尾さん。









横「もう大学生か〜」



北「早いよな(笑)」



横「なんか俺らじいちゃんみたいだけど大丈夫か？(笑)」



北「ま、俺らも頑張らねえとな」



藤「だよな〜」



北「うお、藤ヶ谷！」



横「お前どこ？」



藤「よろしく、センパイ」



横北「えー！」









俺たちの春は、これからです。









ーーーーーーー女装男子キタヤマ【完】

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