女装男子キタヤマ-３

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ギィ…





「わっ…さむ…」









屋上の地面は、コンクリートが見えないくらい青い芝で埋め尽くされている




脇にあるベンチには、人影。




さっきの人かな？









「あ、」



玉「……あ、A…」



「こんにちは」



玉「……こんにちは」



「名前、教えてもらっていいですか？」



玉「……ゆうくん」



「へ？」



玉「って、呼んでくれる？」



「あ、はい」



玉「玉森裕太。あだ名はゆうくん」









初めて、この人の笑った顔を見た。



すごい綺麗だなって思った。



男の人なのに色が白くて華奢で



くしゃっと笑うこの人が、少し気になった






どうしてそんな悲しい顔で笑うの？



どうして今にも泣きそうなの？









「……あ「A」



「……北山さん、」



北「担当医が呼んでる」



「ありがとうございます。じゃあゆうくん、また」



玉「……またね」









あのって言おうとしたら、北山さんに阻まれた。



ナイスタイミングだった。



ゆうくんは、また悲しそうにまたねって言いながら笑った。



そんなことを、北山さんの大きな背中を見ながら想っていた。

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