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劣等感14 ページ16

次の日の朝、体の痛みで目が覚めた。



カッターを握ったまま床で寝てしまっていた。



時計を見ると四時。





私は誰も起こさないようにそっと廊下を歩いてお風呂へ向かった。





鏡を見ると、涙で濡れた頬はすでに乾いていた。




自分で見ても痛々しい傷は、昨日のことを思い出させるようにくっきり残っていた。








心は落ち着いていた。




自分の傷を見ても、ぼさぼさの髪を見ても、くすんだ瞳を見ても、何も感じなかった。





とりあえずシャワー浴びなくちゃ。



傷だらけの体にお湯をかけた。



じんじんと痛む痣。


ひりひりと痛む切り傷。






石鹸でごしごしと洗った。



まだ殴られた感覚が残っている。





消したかった。


その感覚も、醜い傷跡も。





消えるわけないのに何度も何度も強く擦った。




無心で体を洗っていると、脱衣所のドアが開く音が聞こえた。




体が強張る。



喉がひゅっと鳴った。





手を止めて耳を澄ませる。







「お姉ちゃん?」




ドア越しに話し掛けられた。



愛の声だ。


ああ、嫌だ。



愛「こんな時間にお風呂入ってるんだあ。昨日入れなかったもんね!お母さんに''しつけ''られてて」





そう言いながら笑った愛に、昨日の笑みを思い出した。



吐き気がする。



私は何も言わずに、ただじっと愛がいなくなってくれるのを待った。




でも、愛はまた話し始めた。


愛「あ。あのね!今日はとっても楽しみなの。だって、面白いものが見れるから!お姉ちゃんも、楽しみにしててね?」



ふふっ、と可愛らしく笑って愛は出て行った。





面白いもの…?




なんだか怖いな。



学校、行きたくないな。







でもなぜか嫌な予感がした私は、急いでお風呂から出て学校へ行く準備をした。



痣には湿布を貼ってから、見えないように色々工夫をした。

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雨野天 - 面白い作品をありがとうございます!これからも、頑張って更新お願いします!一生応援します(*´∀`)♪ (2020年9月25日 8時) (レス) id: e9ccbc0a11 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - あさん» wwwwwwwwwwwwwwさらに返すw (2020年6月15日 20時) (レス) id: 0b9b617bc5 (このIDを非表示/違反報告)
- 美紅さん» wwwwwwwwwwwwwww笑笑返し (2020年6月15日 17時) (レス) id: 3e77a425a8 (このIDを非表示/違反報告)
@雨粒(`・∀・´)(プロフ) - 作者さん大好きです!頑張ってください! (2020年6月2日 16時) (レス) id: 69a6fc1c32 (このIDを非表示/違反報告)
@雨粒(`・∀・´)(プロフ) - )愛ちゃん吹っ飛ばしていいですか?作者さん!あ、作者さん応援してます!更新待ってます!さてさて愛ちゃん?口喧嘩する?え?ワイ結構勝気でおるよ?てか、多分勝てると思う。ふっははは。愛ちゃんに、仕返しするのを待ってます!( ^∀^)ニコォ... (2020年6月2日 15時) (レス) id: 69a6fc1c32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:miyusuki1225 | 作成日時:2020年4月4日 1時

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