男水！

第29話☆☆☆☆☆☆ ページ33

平「それはね、この前榊に
ムカついたから。ﾍﾍｯ笑
記録会の時、榊喜んだでしょ…」

秀平「あぁー…
あれは自己ベストが出たから。」

平「自分より早い選手と泳いだんだよ？
俺に負けたんだよ？東ヶ丘の人は絶対に大会に出られるから楽だよね。」

秀平「え？」

平「俺、去年都大会出られなかった。
部内選抜で勝てなかったから…大会にエントリーできるのは、どの学校も各種目3名までって決まってる。
俺は去年ずっと見てたよ。自分が出れない大会で自分よりタイムの遅い選手が泳いでるところを…。
俺が必死で勝ち取った大会に、榊は余裕で出るんだよ。」

秀平「ごめん…」

平「謝って欲しいんじゃない。
俺に負けた時は、ちゃんと悔しがってほしいの。」

秀平「いや、でも…俺と平レベルが違…」

平「なら！
悔しがれるくらい、もっと速くなってよ。
じゃ、そろそろ行くね。」

秀平「……」

・

・

過去思い出されて

・

・

今になり

・

・

川崎「ギラギラしてんな…あいつ。
普段な生意気な態度もそうだけど、誰にも負けねぇってのがにじみ出てんな。
お前とは大違いだ。」

秀平「川崎さん！
俺に泳ぎを教えてください。川崎さんが見てたてっぺんを…俺も見たいんです。
俺だって勝ちたい…もっと強くなって、都大会もその先も、もっともっと行きたい。
ずっと、自分は礼央や大樹とは違う。自分のレベルはその程度だって…そう思おうとしてました。逃げてたんです…
家族のためとか、部員のためとか…いつも自分に言い訳して…本当は自信がなくて、勝負するのが怖かっただけなのに…
そのせいで、自分だけじゃなく周りも裏切って…でも、そういうのもう嫌なんです！
大樹や礼央の後ろじゃなくてまた一緒に泳ぎたい！明日から、いや今からもっと練習頑張ります！都大会俺絶対、平に勝って見せますから！
失礼します！」

川崎「おい…！
ったく…」

・

・

in．東ヶ丘高校

〜臨時修繕工事の為
使用禁止〜

秀平「なにこれ…」

晴美「秀ちゃん！
もう、大変大変！」

秀平「どういうこと？これ？」

原田「俺たちプールから追い出されちゃいました！」

晴美「急に工事のおじさん達が来たの。」

結太「10日間使用禁止だそうです。」

秀平「そんな…」

大樹「聞いてない。」

川崎「何しけた面してんだ。」

結太「川崎さん！」

秀平「戻ってきてくれたんっすね！」

原田「フォー！」

晴美「ちょっとあんた喜びすぎよ。」

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