さようなら。【HQ/青葉城西】

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岩泉side








青葉城西高校バレー部の皆さんへ。

皆がこれを読んでいる時には、もう私は行ってしまっているかもしれません。
私は、皆に嘘をつきました。
半分本当で半分嘘。
夢愛ちゃんは気づいているかもしれない。
否、きっと分かってるよね。
私が虐められているのも本当。
それがバレて外国へ連れていかれるのも本当。









「...って事は、後残るのは」









私が虐められていたのは、男バレのマネージャーをしていたからです。
皆は凄く格好よくて人気がある。
部員目当てで入ってくる子が多いから、本当にやる気がある子しか入れていない。
だから、入部した子は虐められる。
理不尽だよね。
私は、一年生の時からそれに耐えていた。
だから、慣れてきちゃってたのに。
このタイミングでバレちゃうからな...

夢愛ちゃんをマネージャーに誘ったのは私が居なくなってマネが居なくなると凄く大変になるから。
でも、そのせいで夢愛ちゃんも虐められちゃって、本当にごめんなさい。
勝手な私の我儘に付き合って貰ってごめんなさい。









「そんなこと...だって先輩は私の事ｯｯ守ってくれたじゃないですかｯｯ...」

花咲が言う。
虐められているのにも気づけなくて。
苦しんでいるのにも、悩んでいるのにも気づけなくて。
それでも、









それでも、ここまで耐えて来れたのは、皆が好きだったから。
このバレー部が、皆が大好きだったから。









こんな事を言ってくれる佐原は、本当に優しすぎる。









皆から暴言をはかれるのは仕方ないと思ってた。
だって、皆と夢愛ちゃんが仲良くなれるようにしたのは私だから。
皆から突き放して貰えるようにしたのは私だから。
だって、必要としてもらったら、離れられなくなっちゃうでしょ？
だからどうか自分を責めないで下さい。
私は、皆の笑顔が好き。
ずっとずっと、私が大好きな皆でいて下さい。
皆が私を信じてくれなくても、
私は皆を信じています。
ずっとずっと、忘れません。
＿＿＿＿私に幸せをくれてありがとう。





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