第47話 ページ48
A side
まだ少し左脚が痛むので、普段の歩くスピードよりは格段に遅い。
そんな私に智司は歩くペースを合わせている。
「ごめんね、何度も何度も…。いっつも智司に守ってもらってるね。」
そう言うと、『女は黙って男に守られとけ』と言われる。
確かに、理想はそうなんだろうけど、私のプライドがそれを許さない。もっと、強くならなくちゃ。
私の家に着くと、完全に日が落ちて、夜になっていた。
「ごめん、本当に。歩くの遅いせいで…。」
自分がこんなにもダメな人間だったのか、と思い知って涙が出そうになる。でも、強くならなきゃだから、我慢我慢。
智司「心配すんな、お前はダメな人間なんかじゃねぇよ。お前が出来ないのは俺が支えればいいだけだ。
俺は…、お前に頼られることは迷惑だと思っちゃいねぇ。むしろ、頼られた方が嬉しい。」
私を抱き寄せて、優しく頭を撫でながらそう言う彼は、とてもかっこよかった。
早くに両親が亡くなり、『優しさ』や『愛情』をきちんと知らない私は、智司からの優しさが嬉しくて、堪えていたはずの涙が溢れてきた。
「智司…わたし、弱く…ない?」
智司「弱くなんかねぇよ。お前のこと弱いって言うやつは頭がおかしい。」
『ほんと、に…?』と智司の顔を見た。
智司「お前のこと弱いって言ったやつは片っ端から俺が潰す。弱くなんかねぇ、お前は強ぇよ。」
『お前を弱いって言うやつは、そいつの方が弱ぇよ。自分の弱さを認めたくなくて、色んな人に弱いって言っちまうんだ。』
そういった彼は優しく微笑み、私の怪我が痛くない程度に強く抱き締めてくれた。
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玲美(プロフ) - 面白いです!!💕 (3月20日 4時) (レス) @page50 id: e0cb024252 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆみゆぽん | 作成日時:2019年1月2日 17時