成蘭高校のもう1人の番 (ページ3)

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第2話ページ3

智司 side

木の棒みたいなやつでなんかを殴ったような音が聞こえた。

また喧嘩かよ、とそう思いながらも聞こえた場所に行ってみた。

そうしたら俺ら開久の野郎が女1人を囲んで殴り合いをしていたようだった。

木の棒はどうした？そう思った俺は、木の棒を持ってるやつを探した。
驚いたことに、その張本人が相良だった。

相良の言う通り、木の棒で殴られたにも関わらず、堂々と立っているそいつ。只者じゃねぇ。

A「ムカつくなっ！あんたら！」

また殴り合いが始まりそうだったのを止めに入った。

「相良。何してくれてんだ。開久だぞ。女1人に何人も集ってんじゃねえ。もうやめろ。」

開久の下の野郎どもが5、6人気絶している。この女マジでやばいな。と思った。

相良「てめぇら！ずらかるぞ。」

下っ端「はい！」

「大丈夫か？」

アイツらが去った後、女に声をかけた。

A「ﾊｧﾊｧ…。すいません…。私から仕掛けては…ないんですけど…開久の…人…達を傷つけてしまって…ｹﾞﾎｯ」

女相手にアイツらは顔を殴ったらしく、口から血が出ていたせいで、むせてしまった。

A「あの、大丈夫…です…から。放っておいてもらって、構わないです。貴方が…ここにいたら、逆に疑われてしまいますし…。それに、開久の頭でしょ？こんなこと…してちゃ、ダメなんじゃないですか…？」

こいつこんな怪我してて人に気を使えんのかよ。

「お前もしかして、成蘭のもう1人の番って言われてる、《A A》か…？」

A「自分で言うのもなんですけど、その通り、です。」

絶対辛いのに、無理に笑顔を作ってこっちを向いてくれた。

笑顔を見た時に心臓に負担がかかったのは絶対に気のせいだ。

「立てるか？」

A「はい。大丈夫です。」

息が荒かったのももう治っていて、普通に立った。まあ、少々ふらついては居るが、男でもきついことを難なくこなしてる。

「お前なら平気な気がするんだが…病院行っとけ。」

A「えぇ。そのつもりですよ？」

「あぁ、そうなのか。」

こいつ、よくわかんねぇ…。

「その状態でその辺のチンピラに絡まれたらなんだからよ、俺がついて行ってやる。」

A「ありがとうございます。」

「お前、俺と同じ歳だろ…なんでタメじゃないんだ？」

A「初対面だから。失礼じゃん。」

急に変わったな…。

他愛もない話をしながら、近くの病院に着いた。