恋涙 (ページ6)

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「なんか久しぶりだねっ、玄樹と2人って。」

「最近部活忙しかったからね。」

今日は勇太は委員会で廉は友達と遊ぶみたいで久しぶりに玄樹と2人で帰っていた。

「みゅうさ…。好きな人いないの？」

「え？」

「今日告白してくれた先輩、かっこよかったじゃん。なんで付き合わないのかなって。」

そんなこと今まで聞かれたことがなかったからドキってした。

「…。好きな人いないよ。先輩とは、ほぼ初対面だったし付き合うとかは違うかなって。」

「そっか…。」

「そうゆう玄樹は？そろそろ好きな人でもできたんじゃないの？笑」

少し真面目な雰囲気に耐えられなくて玄樹に話を振った。

「俺は…。」

でも聞かなきゃよかったんだ。

「いるよ。好きな人。」

「そ、そうなんだ。」

なんでだろう。今まで勇太に彼女が出来たことだってあったのに。廉に好きな人がいたことだってあったのに。

どうしようもなく胸が苦しい。

「っ…、叶うといいねっ、玄樹の好きな人なんだもん。きっと素敵な人なんだろうなっ！」

頑張って振り絞ってそれだけしか言えなかった。

だってあまりにも玄樹が真剣にその人を想ってるのがわかったから。

「じゃあまた明日ね！」

「うん、また明日。朝ちゃんと起きるんだよ？」

「わかってるって！」

ガチャ

バタン

涙が止まらなかった。

私は気づいてしまったんだ。

玄樹を好きなんだと。

そして同時に失恋したんだ。

本当は昔から気づいていたのかもしれない。

玄樹に勇太とは違う特別な感情を抱いていたこと。

だけど私はあの日から恋愛というものに恐怖を覚えてしまったから。

どんなに愛し合っても変わってしまうことがあるから。

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