恋涙 (ページ5)

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「急にごめんな？その…。俺と付き合ってくれないかな。この前保健室であった時一目惚れしました。」

お昼休みに入って教室にきた先輩は一度だけ保健室で会ったことのある先輩だった。

見た目はかっこいいかもしれない。

だけどなんか違うなって。

この人といるなら4人でいたい。

別に恋愛感情がないわけじゃない。

好きな人がいる友達の話を聞くといいなって思うし、恋話をするのも楽しい。

だけどそれよりも4人でいる時間が好きなんだ。

「ごめんなさい…。私付き合うとかは…。」

「うん。だよなっ。ごめん、急に呼び出したりなんかして。」

「あの、こちらこそ。すみません…。」

「いや、いいんだ。…みゅうちゃんはあの3人の誰かと付き合ってるの？」

「え？…いや、そんなことはないんですけど。」

「そうなんだ。てっきり付き合ってるのかと思ってた。あの3人いるとみゅうちゃんに近づけないもん笑」

「そうなんですね笑」

小さい頃からずっと一緒だった勇太と玄樹。高校から一緒の廉。
3人に恋愛感情を抱いているのかと言われればわからない。
だけど私は離れたくないなと思う。

「じゃあ、またな。ありがとう。」

「はい。ありがとうございます。」

教室に戻るとあんまりにも暗い雰囲気の3人がいるもんだから思わずイタズラしたくなった。

でも付き合ってないって言ったら心なしか喜んでくれていた気がして少し嬉しかった。

「私3人のこと好きだもんっ。」

そう。私は3人のことが好きだから。

みんなで一緒にいたいんだ。