恋涙 (ページ3)

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ピンポーン

「はーい！待って今行く！！」

呼び鈴を鳴らすと二階の窓からそう聞こえるのはいつものことだ。

みゅうは昔から寝起きが良くない。

「おまたせ！おはよ！」

「も～、いい加減朝起きれるようにしなよ。」

「努力はしてるよ？！アラームつけてるし、ちゃんと11時には寝れるようにしてるの！だけど朝起きるとアラーム消えてるし、時間は過ぎてるんだもん！」

と朝から言い訳を並べるのもいつものこと。

「はいはい、もうあんまり遅いと先行っちゃうからね？」

「待って、それだけは勘弁。起きる。絶対起きるから。」

真剣に答えるみゅうがおかしくてつい笑ってしまった。

「もう！何がおかしいのーー！私おいていかれたら遅刻決定じゃん！それは良くないじゃん！」

「だってそれ聞くのもう何回めかわかんないもん笑」

だけどねみゅうを待つのも嫌じゃないから、毎日迎えに行くしこうやって2人でたった数分の道のりを毎日歩いている。

「おはよ～。」

「おはよーさん。」

一本道を歩いているとすでに勇太の家の前に2人が立っていた。

ここまでくると2人の時間は終わり。

「「おはよー」」

4人になるとさっきまでのテンションよりさらに上がって朝からかなりうるさい。

「また、みゅうの寝坊？笑んで明日から置いていくって言われたんや笑」

「廉までバカにするのか…。」

「だってそれ昔からなんやろ？ここ2年の話しちゃうんやろ？」

「そうだよ、昔から玄樹が迎えにいって俺のところに来るのはまじでギリギリ。」

「じゃあそう言われるのもしゃーなしやな。」

「私の味方はいないわけ？！もう、ほんとみんなより寝てるのになー。朝起きれない…。」

頑張ってどうしたら起きれるか考えてるみたいだけど僕は起きれなくてもいいと思ってる。

だって起きれたら僕が迎えに行く必要がなくなってしまうから。

「起きれなくてもいいのに。」

「「え？」」

「玄樹、」

「あ！いや、なんでもない！僕もちょっと眠いなーって笑」

「ほら！玄樹も眠いって！」

「いやいや、玄樹は眠いだけで起きれてんねん。笑」

廉もみゅうも聞こえてなかったみたいでまたいつもみたいにくだらない話が続いた。

勇太だけは僕に視線を向けていたけど。

それに気づかないフリをした。