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僕は入院した3階からエレベーターで1階まで降りて売店へと向かった。
「久々に歩くとしんどい…。」
この4日間部屋から出てない上にお手洗いも部屋にあるから1日に3.4回ぐらいしかベットから動いてなかった。そのせいか少し歩いただけでヘトヘト。
「あ、売店の前座れるようになってるじゃん。」
とりあえず休もうと思ってゆっくり歩いていたら。
「…、おばさん？」
売店から出てきた女の人。間違いない。少し痩せてはいたけど小さい頃からずっと見てきたんだ。
「みゅうのお母さん！！」
僕は思わず病院だということも忘れて声をだした。
すると女の人は顔を上げて僕を見た。
「玄樹くん…？」
「おばさん！」
5年前いなくなったみゅうのお母さんだった。
僕はフラフラする体を手すりにつかまりながらおばさんの元に行った。
「お久しぶりです。」
「…。」
「おばさん…？」
「…。ごめんなさい。」
「え？」
「ごめんなさいね。」
そういうとおばさんは駆け足で去って行った。
売店による気分ではなくなって、結局何も買わずに部屋に戻った。
「おばさん、なんでごめんなんて。」
ガラッ
「よっ！」
「紫耀。海人。」
今日は部活が休みになったらしく2人が来てくれた。
「玄樹くんごめんね？中々これなくて…。」
「全然大丈夫だよ？部活忙しいでしょ？」
「少しだけ。でも楽しいから頑張れる！…玄樹くんなんかあった？」
普通にしてるつもりなんだけどこういうとき海人は鋭い。すぐに気づかれる。
海人にもみゅうのことは話してあったから、2人に今日みゅうのお母さんを見かけたこと、ごめんって言われて帰ってしまったことを話した。
「なんなんやろな、そのごめんって。」
「そうなんだよね。なんなんだろう。」
「それにみゅうさんのお母さんなんでここにいたんだろうね？私服だったの？」
そう言えばそうだ。あの時のおばさんは普段の洋服を着ていた。
「私服だった…。」
「だとしたら誰かのお見舞い？」
「でも今までいろんな人に話聞いたりしたのに誰も知らなかった。それなのに誰の…？」
考えても考えても分からなくて2人は申し訳なさそうにしながら帰って行った。
「余計な悩み事増やさせちゃったかな…。」
でも気になるんだよ。なんで？ごめんなさいってなに？5年前のこと？いなくなったときのこと？
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作者名：みゅう☆げん | 作成日時：2019年4月11日 11時
