#6 ページ7
「岩橋さーん。検温の時間ですよー。」
「はーい。」
入院した日から4日。あれから体調も特に悪くなくて、辛いことといえば毎日ある採血ぐらい。
「じゃあ採血もしますね？」
どうにかして逃げる方法ないのかな？笑
「…。絶対ですかね？笑」
「それはもちろんですね笑」
逃げ道はなかったみたいです。
「はい、じゃあチクっとしますよー。」
チクッ
「ったぁ〜。もう採血の後だらけ…。」
毎日されるから場所を変えてるんだけどまぁ針の後が痛々しい。
「あと少しの我慢ですからね？退院したらたくさん野球できますから笑」
そう看護師さんは机にあった野球ボールを渡してくれて笑顔で部屋を出て行った。
野球…。
僕が野球を始めたのは小学3年生のときだった。
理由はまぁ単純。
「玄樹って野球を似合いそう！！」
そうみゅうに言われたから。
それにみゅうが言ってたのはあながち間違いじゃなくて、習い始めてからどんどんはまっていく自分がいて。
「野球したいな〜。」
ガラッ
「こんにちは、岩橋くん。」
「こんにちは…。」
「そんなに嫌そうな顔しないでよ笑」
だって嫌に決まってる。昨日来た時検査があるからってMRIに連れていかれた。その時痛いことはないって言われてたのに、造影剤を入れるだなんだってふっとい針を刺されたんだ。
男なら我慢しろって？
そんなの関係ないね。
嫌なもんは嫌なの。
「今日はなんですか？」
「もう、すごい警戒するじゃん笑 今日はほんとのほんとになにもないから笑 昨日の検査結果問題なかったから今日からは部屋から出てもいいよ？この病院売店も充実してるし暇なら運動がてら行ってみなよ。あ、さすがに走るのはなしね？フラっていかれたら困る笑」
「ほんとですか！よかったー。退院できないとかだったらまじで泣いてた。」
「そもそも貧血だったし大丈夫だとは思ってたけどね念のためにの検査 笑 あ、それから病棟でるときは看護師さんに伝えてからでよろしく。じゃあ今日はこれで。お大事に。」
「ありがとうございましたー。」
売店かぁ。今日は木曜日、きっとみんな部活でこれないだろうし、暇つぶしになんか買いに行こうかな。
「よし、行こ。」
ガラッ
「岩橋さん？売店？」
「あ、はい。行っても大丈夫ですか？」
「うん、もちろんよ。しんどくなったらとりあえずどこか座って誰かに声かけてねー。」
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作者名：みゅう☆げん | 作成日時：2019年4月11日 11時
