Episode 6 ページ7
その日の夜
「さぁ、1ヶ月間生活が幕を開けたわけだけど……
本当に俺を落とす気あるの?」
私は今、フィガロ様の部屋にいる。
そう……今日はお泊まり会だ。
「いやっ、なんだかその……おっ、恐れ多いし…?
心臓が爆発してしんじゃうかも……みたいな」
まさか開幕早々こんな刺激的なイベントがくるとは考えもしていなかったため、ひとまず部屋の角に避難している。
「っははは!今更照れちゃって。
…大丈夫だよ、ほら。」
フィガロ様は隅っこにいる私の方へ寄ってきて、優しく手を取った。
「それに、俺は一応南の国では皆に人気の優しいお医者さんなんだ。
君が死にそうになっても大抵はどうにか出来るよ。」
フィガロ様はそう言いながら、私をふかふかのベッドまでエスコートしてくれた。
「ポッシデオ」
フィガロ様が呪文を唱えると、部屋の明かりがフッと消える。
生ポッシデオに感動している間に、ベッドへと誘導された。
・・・
ベッドの中に入ると、フィガロ様の体温が直に伝わってきた。
「暖かい…」
「北の国の寒さは尋常じゃないからね。」
カーテンのない窓から入る月の光が、フィガロ様の優しいお顔を照らす。
シングルベッドだから、とても距離が近い。
フィガロ様の匂いがする。
「私…フィガロ様が好きです。」
「……50点かな〜」
「厳しいですね。」
「1日目にしては悪くない点数じゃない?」
「ふふっ」
フィガロ様と話すうちに緊張が解けてきた。
どんどん体が温まってくる。
そしてそのうち、私は眠りに落ちた。
「……すぅ。」
「はぁ…俺を落とすなんてかなり無謀だと思うけど
まぁ精々頑張ってよ、A。」
フィガロはいつもと違った口調で、眠っているAにそう呟いた。
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ユリア(プロフ) - 切なくも微笑ましい素敵な作品をありがとうございました!!それぞれのキャラの感情の変化がよく描かれていてとても心に刺さりました。これからも作品作り頑張ってください! (3月25日 14時) (レス) @page41 id: 729d7bbd60 (このIDを非表示/違反報告)
めふぃ - 完結おめでとうございます!そして今まで、切なくも面白いストーリーをありがとうございました! (2022年4月27日 22時) (レス) @page41 id: 19e03b5c2e (このIDを非表示/違反報告)
えれのあ*(プロフ) - あっ、すきです…(死) (2022年4月7日 6時) (レス) @page37 id: 990fe64fbf (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - 素敵な作品をありがとうございます。更新楽しみにしています! (2021年9月25日 12時) (レス) id: 0a11424034 (このIDを非表示/違反報告)
めふぃ - ヤバいめっちゃ展開気になる…!!相変わらず面白くて素敵なストーリーです!更新楽しみにしてますね!! (2021年8月8日 12時) (レス) id: 53cc7f4ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カシワ | 作成日時:2020年12月31日 11時