Episode 25 ページ27
「っ……寒っ」
グローリーという魔女に連れられ、私は南の国から北の国まで戻ってきた。
グローリーさんに寒さのための魔法をかけてもらったが、ついさっきまで暖かいところにいたせいで視覚から寒さを感じる。
「グローリーさん、わざわざすみませ…」
グローリーさんの方を見ると彼女の姿はもうなく、ただ白い雪があるだけだった。
その代わり、正面から聞き覚えのある声がした。
「……A?」
っ。アルタだ。
「ぁ…」
謝らなければ。謝って、それから、アルタと結婚するって言わなければ。
早く言え、早く言え自分。
…本当にそれでいいのか?それで幸せになれるのか?
……いや、いいんだ、今の今までずっとアルタは我慢してきたんだから。
「アルタ…私っ……」
私、アルタと ーーーーー
「……式の時間ならもうとっくに過ぎてる。」
アルタは私を抱き寄せた。
抱き寄せて、そして悲しそうに耳元でそう言った。
「ごめ…」
「…
俺さ、魔法使いなんだ。」
「三日前に、お前が何も言わずに出てったってお前の母さんと父さんから聞いたんだ。
ごめん、A。知らずに 約束 させて。
それで振られてもまだこんなに俺、未練タラタラで。……抱きしめたりなんかして。
“魔法使い”の俺じゃだめなのかって諦めきれないでいるんだ…っ 」
アルタの声は発せられる事に弱々しくなっていく。
胸が痛い。
はやく、ちゃんと、アルタに伝えなくちゃ……。
「…………
私、アルタと結婚するよ。」
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ユリア(プロフ) - 切なくも微笑ましい素敵な作品をありがとうございました!!それぞれのキャラの感情の変化がよく描かれていてとても心に刺さりました。これからも作品作り頑張ってください! (3月25日 14時) (レス) @page41 id: 729d7bbd60 (このIDを非表示/違反報告)
めふぃ - 完結おめでとうございます!そして今まで、切なくも面白いストーリーをありがとうございました! (2022年4月27日 22時) (レス) @page41 id: 19e03b5c2e (このIDを非表示/違反報告)
えれのあ*(プロフ) - あっ、すきです…(死) (2022年4月7日 6時) (レス) @page37 id: 990fe64fbf (このIDを非表示/違反報告)
とくめい - 素敵な作品をありがとうございます。更新楽しみにしています! (2021年9月25日 12時) (レス) id: 0a11424034 (このIDを非表示/違反報告)
めふぃ - ヤバいめっちゃ展開気になる…!!相変わらず面白くて素敵なストーリーです!更新楽しみにしてますね!! (2021年8月8日 12時) (レス) id: 53cc7f4ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カシワ | 作成日時:2020年12月31日 11時