とある本丸の刀剣達は、謎の刀剣女士を拾ったようで【刀剣乱舞】 (ページ3)

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第二話ページ3

刀剣女士side

あのお方の夢は、大きな男性の声によって妨害された

目を覚ましてしまった

ゆっくりと目を開くと、大きな声で私の夢を妨害したのであろう男とは別に、もう何人かが私の顔を覗き込んでいた

この方々、お顔がたいそう整っているようだけれど、その顔も今は邪魔の対象でしかない

…顔が近くて体を起こすこともままならないのだ

｢…起き上がれないのです、どいてくださいなのです｣

私の、この猫かぶりな喋り方
いつぶりだろうか、もう何千年も昔のことだ

｢あ、あぁ、すまんな｣

｢だからそんなに近づいちゃダメって言ったのに…
ごめんね？えっと…｣

これは名前を聞かれているのだろうか

面倒だ、適当なあだ名で誤魔化そう

｢ボクのことは、あめと呼んでくれて良いのですよ｣

このボクという一人称、使うと虫唾が走る

一応性別的には女なのだから、当たり前だが

｢あめちゃん、か
僕は燭台切光忠｣

｢俺は鶴丸国永だ、よろしくな｣

｢薬研藤四郎だ｣

｢俺は加州清光っていうんだ｣

｢…大倶利伽羅だ、馴れ合うつもりはない｣

｢私は、一期一振と申します｣

…ふーん、まあ興味ないんだけど
覚えておくほどの価値はある…か

みんな若いんだな、私より

｢えっとここはどこなのですか？｣

場所把握も肝心だ

燭台切｢ここは本丸、僕達が住んでいる場所だよ
…もしかして、知らなかったりする…のかな？｣

本丸…

ということは、この方達は刀剣男士ということか

どこかで見たことあるとは思っていたけれど、まさか…

｢知っていますですよ、ということはあなた達は刀剣男士なのですね｣

というか私はなぜ人の形になっているのだろう

私は禁忌を犯し、刀の姿で追放されて…それで

…そこを、拾われたのだろうか

まあいい…私はもう時間遡行軍ではないのだから、この方達に敵意も殺意も全くない

だが、この方達にとって私は異形の存在
刀剣男士しか存在しなかったこの世界に、“刀剣女士”が存在する

こんなことは、本当はあってはならない

…だが、敵ではないことは分かってもらわなければ、私の命が危ない

｢ボクはあなた達の敵ではないのです
なので、殺さないでいただけると嬉しいのです…

それと…少しの間、ここに住まわせていただきたいのです…｣

…住む場所もなくほっつき歩いていたら、いつか死んでしまう

身の安全も確保しなければならない