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怯える理由 ページ41

太宰side




私は医務室で寝てるAの元に
ゆっくりと歩み寄る




「……太宰」




彼女は私を見て、躰を起こした




太宰「随分顔色が悪い様だけど
どうしたんだい?」

「……別に」

太宰「森 隆一」

「…っ!!」




私がその名を口にすると
Aは目を見開き私を見る

彼女の今の瞳には光は無く
"恐怖"しか存在していなかった




太宰「彼と何があったんだい?」

「そ、れは…っ」

太宰「彼は森さんと何か関係があるのかい?」

「……隆一は、森さんの義理の息子」

太宰「へ〜、森さんの」

「貴女がマフィアを辞めて一年経ったある日
森さんはある孤児院にいた隆一を連れて来た」

太宰「…そうかい」




森さんの義理の息子、か

森さんが拾って来たってことは
それ程魅力的な異能力の持ち主って事か?

もしくは殺しの才能がある

どちらにしよ隆一という男には
注意しないといけないね





太宰「…A、さっきも聞いたのだけど
君と彼の間に何があったんだい?」

「…………」

太宰「君が彼に"怯える理由"はなんだい?」





私の疑問は"それ"だった

彼女は強い

恐らくマフィア内では
上位地位(トップクラス)だ

そんな彼女が孤児相手に此処まで怯えるのには
何か理由があるのではないか…と私は考えた





「_それはっ」




彼女は俯き黙る

いや、この場合"言葉を探している"
と言う方が的確かもしれないね

今の彼女は何を言うべきなのか、と
言葉を探している様に私には見えた





太宰「…話したくないなら無理にとは言わない
私自身君にまだ話せてないこともあるしね」

「……私が此処で全てを話せば
貴方も過去の全てを話してくれる?」

太宰「え?」




彼女はただ黙ってじっと此方を見つめる
その瞳には"覚悟"が混じっていた




太宰「相変わらず自分のメリットになる事しか
しないんだね、君は」

「……四年前何があったのか教えてくれるなら
私と隆一の事を話してもいい」

太宰「それが話をするお代でいいのかい?」

「うん、私はずっと知りたかったから」

太宰「…クスッいいよ。その取引に応じてあげる」





私がそう言うと彼女は「ありがとう」と
小さく呟き、微笑んだ

微笑んだ彼女はとても弱々しかった




太宰「…それで?隆一と何があったんだい?」

「……私はあの日__________」

太宰「…え?」




彼女の口から告げられた言葉は
私の思考を停止させた

隆一との出会い→←勝負



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ミルト* - ミカドさん» ありがとうございます!!面白いって言ってもらえるのが一番嬉しいので今めっちゃ舞い上がってます(笑)これからも頑張りますので、何卒宜しくお願いしますm(_ _)m (2019年2月21日 0時) (レス) id: 02400200e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミカド(プロフ) - とっても面白くて、とても気にいりました!!これからも続きを楽しみにしています!頑張ってください!! (2019年2月20日 22時) (レス) id: f327cce89d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミルト* | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年2月1日 13時

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