某死神少年との遭遇 〜外出は自粛してもらおうか〜【名探偵コナン】

ミッション1:母親を丸め込もう！ ページ9

「だがAさん、勝負は明日だ。まだやらなきゃいけないことがある」

　少年は、すごく真面目な顔をして告げた。

　説得できた風だったのに、明日なのか？


「やらなきゃいけないこと？」

「まずは協力者をつくる。妹さんに正体をバラそうかと思う」

「あいつに？秘密がばれる可能性は、単純に二倍になるけど」

　情報は、知る人間が多ければ多いほど漏れやすい。あまり知る人を増やしたくはないが……


「彼女は俺の声を知っていたから、ばれるのは時間の問題だ。それなら協力してもらった方が手っ取り早い」

「まあ、そうか。君が立てた作戦だし、名探偵に任せるよ」

　自分の考えがこの元高校生探偵に到底届かないのはわかりきってる。なら、身を任せてみるしかないな。






「ああ、やっぱりコナン君だったんだ！どうりで声が同じはずだよ〜」



▶妹、月読夏来が仲間になった！

　妹は、驚きはしたが、すんなり信じた。

　おい、こんな突拍子もない話、ちょっとは疑えよ。
　こっちがそう言いたくなるんだけど。


「それで……ゴニョゴニョ」

「なるほど、ウチの母さん厳しいもんね〜。でも、これなら誤魔化せるかも」

　どういう作戦なんだ？

　聞いてみたが、二人は「明日のお楽しみ」といって教えてくれなかった。


　翌日早朝。

「もしもし、母さん？」

　なるほど、電話か。
　確かに、蝶ネクタイ型変声機を使って母親の声を偽装すれば、嘘を信じてもらえそうだ。

　いや、まて。

　誰が母親役をしてるんだ！？


「こんにちは、昨日太郎君をお預かりした、月読という者です。太郎君のお母さまですね？」

「……いえいえ！太郎君、全然手がかからないですし。娘も弟ができたみたいに可愛がってて……そうですね、こんなご時世、一人で家にいるのは心細いでしょう、少しの間ならお預かりしますよ」


▶月読瞳子を丸め込んだ！



　まさか、協力者ってそういうことだったのか……！？



　こうして平井太郎君 ── もとい江戸川コナン ── こと工藤新一が、ウチに来ることになった。


　それにしても、あいつは二階の自室にいたはず……

ウチの電話はちょっと古くて電話番号が表示されないから、携帯で電話を……声は聞こえないから、家の外からかけているんだと思うけど、どうやって脱出したんだろう？

　…‥コナン君がどうにかしたんだろうな。

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