マクスウェルの悪魔たちの会合 ページ23
「それで、元の世界に戻る方法なんだけど……阿笠博士が、俺を飛ばした発明品を元に時空を行き来するマシンを作ってくれてると思う」
「なるほど……あの博士なら、期待できそうだな」
赤井はニヤリと笑う。
だが、コナンの表情は硬い。
「うん。でも、ここからが問題で……」
「問題?」
コナンは深刻そうに話した。
「出来上がったら、誰かを迎えに寄越すと思うんだけど……俺の予想じゃ、最有力候補は灰原だ」
「あの少女か……まだこの姿では会いたくないが……」
赤井も、少し考える。
「赤井さん、変声器は?」
コナンが、思い出したように言った。
「手元に持っていなかったから、無いな。こっちに来た時俺が持っていたものと言えば、煙草とマッチと、ライフルの入ったバッグくらいだ」
「ライフル……!!任務中だったからか……」
「あの少年には、楽器と言ってあるがな」
赤井はあっさりというが、勝手に開けられでもしたらどうするつもりなのだろうか。
ちなみに、平井は高校の吹奏楽部でトロンボーンを吹いている。そんな彼だから、普段は見知らぬ楽器ケースに興味が湧かないことはない。
そんなことを、まだ二人は知らない。
「お待たせお待たせ〜コナン君たちも、話はできたかな?」
頃合いを見計らって、私と平井は部屋に戻った。
「うん!ありがとうAお姉さん」
「久しぶりにボウヤと話せてよかった」
あ、そうか、こいつら平井にバレてないと思ってるんだっけ……
平井はポーカーフェイスを気取っているが、目はコナン君と赤井さんを交互に見ている。それに、心なしが口角が上がっている気がする。
どうやら平井のやつ、いつまで気づかないか楽しんでやがるようだから、私からは言わないでおいてやろう。
私も楽しんでるんだけどね!
「じゃあね!沖矢さん」
「ああ、またな」
帰り際、コナン君が赤井さんに手を振る。
やっぱ、演技してると思うと面白いな。
「じゃ、また」
私も、片手を挙げて平井に言う。
「……ああ」
平井は、素っ気なく返した。
ああもう、我々のコミュ力不全、どうにかならないものなのか。
小学校の時くらいに戻りたいものだ。
あの頃くらいに、私が言葉の刺に鈍感な
はあ、先が思いやられる……
頼んだぞ、グループ唯一のコミュ力彩よ……
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桜 - これめっちゃ現実性あるねぇ (2020年8月30日 20時) (レス) id: 44f3b52daa (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - コナン側、主人公側、互いの立場から来る優位性のようなものがなく、また主人公の心情や周りとの関係性の変化などとても読み応えのあるものでした。読後感はどこか物悲しく、しかし確実に続編への布石を……!このあと続編の方を拝読します!ありがとうございました! (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - サブタイトルでちょっと笑って読み始めたのですが、読み進めるうちにどんどん引き込まれて行きました。何より他の二次創作との差を感じたのが、主人公たちのいる世界が「コナン」側の世界とまるで対等であるように描かれていると感じた所です。 (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
綺月(プロフ) - ナミさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。続きは……もう少しお待ちください! 作者としても、チーム『マクスウェルの悪魔』には、残された沢山の謎を解決してもらいたいですからね笑 いつも、感想と励ましの言葉をいただけて、とても嬉しかったです。 (2020年6月30日 22時) (レス) id: a7057fda4f (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 最終回とっても面白かったです。組織の研究所みたいなことを言っていたので今度はトリップかなと続きが楽しみです。続きがどうなるのか?それとも無しなのか?出来れば続いて欲しいです。最後にお疲れ様でした。 (2020年6月29日 4時) (レス) id: 134760d3d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺月 | 作成日時:2020年5月9日 0時