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エントロピーは増大する ページ22

「悪いけど平井。お前の個チャ(個人チャット)、追加しとくよ。それと、彩とのグループも作っとくから」

 素っ気なくなるのはご愛嬌だ。だって怖いんだもん、平井。


「は?彩?」

 ほら、こういうトコとか!

 は?って言うのやめよう?
 特に声変わりしてから、半オクターブくらい低くなって、より一層怖いんだから!


「バラして協力してもらってんだよ!コナンの情報に一番詳しい知り合いが彩だから!!」

「あ、そう」


 まあ、赤井さんが近所に居候してた、なんて知ったら大喜びだろうけどな、彩。

 確か赤井さんって、彩の推しだし。





 その頃、コナンと赤井は部屋で情報共有を進めていた。

「それで、赤井さんは、いつ来たの?」

 コナンは、真剣な顔つきで切り出した。

 赤井は二、三秒考えて、答えた。

「二日前、一昨日だな。任務中だったが……気がついたら既に迷い込んでいた、というわけだ」

「……任務!」

 赤井の『任務』。それは、FBIとして黒の組織関係で動いていた、ということだろう。

 その最中にこちらに来てしまうとは……向こう、大騒ぎになってないか?

 コナンは、顔を曇らせた。

「まあ、だからこの顔なんだがな。毎日あの変装をするわけにもいかないし、結果オーライというところか」

「それはそうか……」

 『沖矢昴の変装』は、工藤有希子直伝の、別人メイク。
 そんなのを居候先でし続けるわけにもいかないだろう。それに、まず道具を手に入れなければならなくなる。


「俺が居候させてもらってる月読Aさんとその妹の夏来さん、Aさんの友達の彩さんには正体を明かして、協力してもらってる」

「三人、か……」

 コナンがそう打ち明けると、赤井は難しそうな顔をして言った。
 正体を知る人間が多いほど、さらにバレやすくなる。そう考えているのかもしれない。


「この世界では、俺たちが漫画の登場人物になってるってことは赤井さん、知ってる?」

「ああ。コンビニで見たからな」

 おいおい、コンビニ行ったのかよ……
 コナンは心の中でツッコんだ。

「Aさんは、真っ先にそれに気づいて俺を保護してくれた。次元の変化で、こっちの世界の人からは、ぱっと見、漫画の登場人物と同一だと分からないらしい。それにすぐ気づくような目を持ってる。手を組んでいて損はないと思うよ」

 そうか、と赤井は(うなず)いた。

マクスウェルの悪魔たちの会合→←気づいてない……とでも思ったか?



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- これめっちゃ現実性あるねぇ (2020年8月30日 20時) (レス) id: 44f3b52daa (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - コナン側、主人公側、互いの立場から来る優位性のようなものがなく、また主人公の心情や周りとの関係性の変化などとても読み応えのあるものでした。読後感はどこか物悲しく、しかし確実に続編への布石を……!このあと続編の方を拝読します!ありがとうございました! (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - サブタイトルでちょっと笑って読み始めたのですが、読み進めるうちにどんどん引き込まれて行きました。何より他の二次創作との差を感じたのが、主人公たちのいる世界が「コナン」側の世界とまるで対等であるように描かれていると感じた所です。 (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
綺月(プロフ) - ナミさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。続きは……もう少しお待ちください! 作者としても、チーム『マクスウェルの悪魔』には、残された沢山の謎を解決してもらいたいですからね笑 いつも、感想と励ましの言葉をいただけて、とても嬉しかったです。 (2020年6月30日 22時) (レス) id: a7057fda4f (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 最終回とっても面白かったです。組織の研究所みたいなことを言っていたので今度はトリップかなと続きが楽しみです。続きがどうなるのか?それとも無しなのか?出来れば続いて欲しいです。最後にお疲れ様でした。 (2020年6月29日 4時) (レス) id: 134760d3d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綺月 | 作成日時:2020年5月9日 0時

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