カエサルのものはカエサルに ページ49
「見つけたって、お前が?」
「いいえ?ジョディ捜査官よ。わざわざ博士の家まで持ってきてくれたところからして、見てたんじゃない? 沖矢さんが
「なんだか様子がおかしかったし」と、灰原。
「ふうん、ジョディ先生が……」
やっぱアンタ、任務中だったのかよ。
つまりはジョディ先生とFBIの仕事をしていて、
だからライフルも持ってたし、赤井秀一の格好だった、と。
呆れたように沖矢──赤井さんの方を見ると、反対側の平井と目が合う。
あの顔は、大方同じような事を考えてたんだろうな……気まずっ。
「それで、元の世界に帰れるのか!?」
「ええ。私たち三人分、丁度のエネルギーが残ってるから……まあ、あとは博士を信じるしかないけど」
興奮して身を乗り出すコナン君に、哀ちゃんは冷静な返事を返し、チラリと沖矢さんをみる。
え、脅かしてんのかな?
「勿論信じますよ……あんなに凄い発明品を作る人ですから」
だが、沖矢さんは余裕のある表情だ。
まあ、何度も死線を潜ってきただろうし……自分の強運と、昔世話になった博士の発明品は信頼してるのかもな。
しばらく、ここ数日の事を話し合う。
どうやら向こうの世界の人には随分心配をかけてるらしい。博士は勿論、蘭ちゃん、少年探偵団のみんな、有希子さん、それにFBIの日本滞在メンバー。まあ、断りもせず消えたんだからしょうがないか……
この二人、帰ったら色んなところで大目玉だろうな。
ひとり苦笑いをしていると、彩が寂しそうにコナン君たちに言った。
「それで……すぐ帰っちゃうの?」
「ええ、今日のうちに帰れるといいんだけど……」
哀ちゃんが答えると、コナン君や沖矢さんを見る。
「何も今日じゃなくても、明日とか……」
慌ててコナン君は言うが、
「私も彼女の意見に賛成ですよ……ただでさえ普通じゃあり得ないこと、異世界人である我々がここにいる影響があるかも分からない……少しでも早く帰ったほうがいいでしょう」
沖矢さんは至って冷静に、コナンをたしなめた。
もうちょっといてもいいと思ってくれるのは嬉しい。まあ、休憩もなくとんぼ返りの哀ちゃんを思って、ってのもあるだろう。
でも……
「私たちは、あと何日かくらい構わないけど……心配してる人たちがいるんだ、早く帰ってあげたほうがいいんじゃないかな」
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桜 - これめっちゃ現実性あるねぇ (2020年8月30日 20時) (レス) id: 44f3b52daa (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - コナン側、主人公側、互いの立場から来る優位性のようなものがなく、また主人公の心情や周りとの関係性の変化などとても読み応えのあるものでした。読後感はどこか物悲しく、しかし確実に続編への布石を……!このあと続編の方を拝読します!ありがとうございました! (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - サブタイトルでちょっと笑って読み始めたのですが、読み進めるうちにどんどん引き込まれて行きました。何より他の二次創作との差を感じたのが、主人公たちのいる世界が「コナン」側の世界とまるで対等であるように描かれていると感じた所です。 (2020年8月18日 0時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
綺月(プロフ) - ナミさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます。続きは……もう少しお待ちください! 作者としても、チーム『マクスウェルの悪魔』には、残された沢山の謎を解決してもらいたいですからね笑 いつも、感想と励ましの言葉をいただけて、とても嬉しかったです。 (2020年6月30日 22時) (レス) id: a7057fda4f (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - 最終回とっても面白かったです。組織の研究所みたいなことを言っていたので今度はトリップかなと続きが楽しみです。続きがどうなるのか?それとも無しなのか?出来れば続いて欲しいです。最後にお疲れ様でした。 (2020年6月29日 4時) (レス) id: 134760d3d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺月 | 作成日時:2020年5月9日 0時