正統派イケメン克服したいんです 。【安室透／降谷零】

chapter49 ページ4

何を言っているんだこの人。


「…ちょっと意味がわからないんですけど。」

「だーかーらー、1人じゃ危ないから俺が一緒にいてやるって言ってんだよ。」



いやいやなんでそうなる？！！


「えっと、勤務中ですよね…？私だけに構ってたら仕事に支障きたしません？」


というかこの人、警察に見えないんだよなぁ。

ちょっとガラ悪いしサングラスしてるし。



「今は勤務中じゃねぇよ。完全にプライベートだから気にすんな。」

「いや逆に気になりますよ。なんでプライベートの警察官が私の様子見張ってるんですか。」



なんか怖くなってきたんだけど。

この人ほんとに警察…？



「あぁー、まぁ同僚から聞いたんだよ。ここら辺でいっつも夜にうろついてるガキがいるってな。それがたまたま俺の近所だったから、できたらパトロールしてくれって頼まれたんだよ。」


若干返事に困った素振りを見せたが、なんだか悪い人ではなさそうなので信じてあげることにした。



「なんだか変な人ですね。」


そう言うと彼は訝しげな表情を浮かべた。


「…なんでだよ。」

「普通こういう場合、無理やりにでも家に帰らせたりしません？」


すると彼は煙草を取り出して口にくわえ、火をつけた。




「＿＿だって、帰りたくないんだろ？」




そう言って、私がいる反対側に息を吐いた。

白い煙がたちまち舞い上がる。




「…やっぱり、変な人ですね。」



久々に私は自然と笑みをこぼした。



「さっきから変な人変な人うるせぇよ。」

「じゃあ名前、教えてください。」




少しの間のあと、彼は答えた。






「＿＿松田陣平だ。」




これが、私と彼の出会い。

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