検索窓
今日:24 hit、昨日:9 hit、合計:316,686 hit

chapter45 ページ47

安室side


「Aさん、大丈夫ですか?」


全力を出していたつもりはないのだが…。


「大丈夫、です…。」と大丈夫ではなさそうな声で答える彼女。


いつもいつも彼女の真っ直ぐさには感心させられる。

後先は考えず目の前のことにただただ一生懸命__


そんな彼女をいつになく愛おしく感じ、俺はもう少しからかいたくなった。



「ありがとうございます。

___可愛らしいうさぎさん。」



そう言って被り物の上だが、頭にキスをした。

さて、彼女はどんな反応をするのだろうか。

まぁ、たいていいつもの場合怒るだろうと思ったが、彼女は怒るどころかピクリとも動かない。


被り物のせいで表情がわからないので、理由をつけて被り物を外そうと手を伸ばした。



「すごく苦しそうですし、もうそろそろ外したらどうですか?」

「ちょっ待っ__」



なぜか制止しようとする彼女をよそに被り物を取ると、そこには顔を赤く染め潤んだ瞳でこちらをみつめる彼女がいた。



一瞬固まった。


その表情が予想外だったというのもあるが、それ以上に__


考えるまでもなく、俺は彼女の頬に手を伸ばしていた。



「安室さん…?」



そんな顔で名前を呼ばないでくれ。



どうして、どうして俺は、



__ここまで感情が揺れている?



すると突然彼女が何か思い出したような表情をしたと思ったら、十数秒後に俺を突き飛ばした。


そのおかげと言ってはなんだが、失いそうになっていた理性を保つことができた。


だが彼女の目は変わらず光が差していない、暗闇のようだった。



「っごめんなさいっ…」


それだけ言って彼女はその場を立ち去った。


「Aさん?!」


追いかけようとしたその時、タイミング悪くケータイの着信音がなった。


「こんな時にっ…」


無視しようとも思ったがなかなか鳴り止まないところをみると、重要な要件とみてとれた。


「もしもし、風見か?」

「あぁ!降谷さん、出て下さってよかったです。」

「要件はなんだ、今忙しい。」

「は、はい。例の子のことなんですが___」




前言撤回だな。

タイミングが良かったみたいだ。


さっきの彼女の反応といい、何か関係があるかもしれない。


この先、君を守っていく上で知らなければならない。



__七瀬 A、君の過去を。

ご挨拶→←chapter44



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (154 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
607人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なみだうさぎ(プロフ) - 奈緒さん» 言われてみればそうですね!!アドバイスありがとうございます! (2018年7月30日 14時) (レス) id: e3d8bdb6e6 (このIDを非表示/違反報告)
奈緒(プロフ) - 漫画の表記だとサンドウィッチではなくサンドイッチかと。めんどくさいこと言ってすいません! (2018年7月27日 0時) (レス) id: fb11a646af (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:よもぎ | 作成日時:2018年6月4日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。