chapter45 ページ47
安室side
「Aさん、大丈夫ですか?」
全力を出していたつもりはないのだが…。
「大丈夫、です…。」と大丈夫ではなさそうな声で答える彼女。
いつもいつも彼女の真っ直ぐさには感心させられる。
後先は考えず目の前のことにただただ一生懸命__
そんな彼女をいつになく愛おしく感じ、俺はもう少しからかいたくなった。
「ありがとうございます。
___可愛らしいうさぎさん。」
そう言って被り物の上だが、頭にキスをした。
さて、彼女はどんな反応をするのだろうか。
まぁ、たいていいつもの場合怒るだろうと思ったが、彼女は怒るどころかピクリとも動かない。
被り物のせいで表情がわからないので、理由をつけて被り物を外そうと手を伸ばした。
「すごく苦しそうですし、もうそろそろ外したらどうですか?」
「ちょっ待っ__」
なぜか制止しようとする彼女をよそに被り物を取ると、そこには顔を赤く染め潤んだ瞳でこちらをみつめる彼女がいた。
一瞬固まった。
その表情が予想外だったというのもあるが、それ以上に__
考えるまでもなく、俺は彼女の頬に手を伸ばしていた。
「安室さん…?」
そんな顔で名前を呼ばないでくれ。
どうして、どうして俺は、
__ここまで感情が揺れている?
すると突然彼女が何か思い出したような表情をしたと思ったら、十数秒後に俺を突き飛ばした。
そのおかげと言ってはなんだが、失いそうになっていた理性を保つことができた。
だが彼女の目は変わらず光が差していない、暗闇のようだった。
「っごめんなさいっ…」
それだけ言って彼女はその場を立ち去った。
「Aさん?!」
追いかけようとしたその時、タイミング悪くケータイの着信音がなった。
「こんな時にっ…」
無視しようとも思ったがなかなか鳴り止まないところをみると、重要な要件とみてとれた。
「もしもし、風見か?」
「あぁ!降谷さん、出て下さってよかったです。」
「要件はなんだ、今忙しい。」
「は、はい。例の子のことなんですが___」
前言撤回だな。
タイミングが良かったみたいだ。
さっきの彼女の反応といい、何か関係があるかもしれない。
この先、君を守っていく上で知らなければならない。
__七瀬 A、君の過去を。
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なみだうさぎ(プロフ) - 奈緒さん» 言われてみればそうですね!!アドバイスありがとうございます! (2018年7月30日 14時) (レス) id: e3d8bdb6e6 (このIDを非表示/違反報告)
奈緒(プロフ) - 漫画の表記だとサンドウィッチではなくサンドイッチかと。めんどくさいこと言ってすいません! (2018年7月27日 0時) (レス) id: fb11a646af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎ | 作成日時:2018年6月4日 1時