感情を失った手毬花 5【ブルーロック】 (ページ25)

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不意に、千切がほんの少し目を見開いた。

「ん？ちょっと待って、あの店にいるのって……」

千切の言葉に、潔と蜂楽も直ぐに気付く。

「え」「あー！」

3人がいる視線の方にはーー、同じ青い監獄(ブルーロック)の選手達がいたのだ。

玲王、烏、時光、乙夜、蟻生、雪宮の計6人である。

「おいーっす！」蜂楽の元気な声に、6人は反応する。

「おー、蜂楽！」「潔くん！千切くん！」
「わぁ！」「なんでおんねんお前ら！？」

「こっちは普通に遊びだけど、お前らこそ何やってんだよ？」

潔の問いに、玲王たちは口々に答える。

「え、普通に株の勉強会」「アパレルブランドの立ち上げの相談とか」
「将来の話に決まってるやろ」「オシャ最先端サミット」

同年代とは思えないような大人な回答に、潔は思わず苦笑いを零す。

「せっかくだし皆で遊ぼー｣「いいね！」「の……、乗った！」

直ぐ様遊びに誘う蜂楽。と、玲王が思い出したように口を開いた。

「……凪とAは？潔(そっち)と一緒じゃねーの？」

「あー、Aはもう直ぐ来るって。凪は寝坊で遅れるって言ってたけど。お、噂をすれば……」

潔のスマホには、凪がゲーセンにいるという報告が。

潔は眉を顰めて「自分勝手……」と呟く。

と、そのとき。

「……あそこにいんの、Aちゃんぽくない？」

唐突に、乙夜が言った。

それを聞いた全員は、乙夜の視線を辿る。

その先にはーー、険しい表情で早歩きをしているAの姿があった。