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廊下に出るまで少し掛かっているのに、スマホの音は鳴り止まない。

『……』どうしよう……。非通知だし、出ない方がいいのかな。

いや、でももし知り合いだとしたら……。

数秒間悩み続け、私は、出ないことに決めた。

遠慮気味に画面の拒否ボタンに指を伸ばしたーーその時。

プルルル プルルル

後ろから音がした。

ビク、と思わず体を震わす。

どうして今電話の音が聞こえるの……?

別に何も怖くないはずなのに、カタカタとスマホを持つ手の震えが止まらない。

振り向いたら……駄目だ。

直感的にそう思った。

すると。「ーーそこにいるのは、『ーー』かな?」

『ーー……は』

耳に、もう金輪際聞くことはないであろうと思っていた声が届いた。もう、聞きたくもない耳障りな声が。

冷たいはずの廊下で、ドバッと汗が吹き出る。

違う……、ちがうちがうちがう……。そんなはず、ない……!

そんなはず……。

後ろに感じる気配がゆっくり近付いてくる。

逃げ出したいのにーー、動けない。

私の視界に影が映ると同時にーー、


見覚えのある、瑠璃色の瞳が覗き込んだ。

「……やっぱり、『ーー』だね」

その目は優しく、そして残酷に細められた。

目の前にいるのはーー、四葩瑠璃。
私のーー、






父親だ。

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作者名:メビウス | 作成日時:2023年9月29日 23時

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