今世もあなたの恋人になりたいのです (ページ7)

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つまり今の彼女にとって他者の魔力は毒のようなもの。
それを理解した俺は、サッと彼女の手を離して距離をとった。

俺は純血の中でもブラックの生まれだ。
俺の魔力は特別濃くて強い。

「まだ、話は終わっておらんのじゃ。
確かに今の彼女には、他者の魔力を感じることは辛い事じゃろう。
しかしシリウス、君は別のようなのじゃ。
君とエラの魔力は相当、相性が良いらしい。
それに君は、魔力の許容量も多いようじゃの。
君に触れているとエラは無意識に君に魔力を流しているようじゃ。
そして君もそれを無意識に受け取っている。
そうすることでエラは自分の体の負担を減らしているようじゃの。」

そう説明したダンブルドアに、試しにもう一度彼女の手を握り魔力の流れに集中してみる。
そうすると、繋いだ手から、なんだか温かく心地よいものが流れてくるのを感じた。

「感じるかの？これは君にとっても魔力の保有量を増やせる良い話だと思うのじゃが、これから定期的に彼女の魔力を受け取ってやってくれんかの？
なに、しばらく手を握って話でもしておけばよいのじゃ。そして、その時に君も魔力を彼女に流してやって欲しいのじゃ。少しずつ慣らしていけば、直に魔力酔いも収まるはずじゃ。」

「はぁ…それって…」
「後輩の面倒を見るのも、同寮の先輩の勤めじゃろう」

被せ気味に言われたその言葉に、強制ですか？と続けようとした言葉を飲み込んだ。
これは決定事項なのだろう。

「……分かりました。」

そうして、俺と彼女の魔力交換は週に1度のペースで行われることに決まるのだった。

俺は寮への帰り道を歩きながら、なんで承諾したんだろ…と既に後悔していた。
まぁ、これも同寮のよしみである。

だけど今思えば、あの時から俺は彼女に惹かれていたのかもしれない。