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涼介side
あれから数日。大ちゃんは意識を取り戻しふつうの病室に戻ってきた。
頭痛止め、吐き気どめが手放せない状況だけど本人はいたって元気そう。
大貴「ごめんな?涼介。心配かけたな?」
涼介「んーん。良かった。意識が戻って。」
俺がそういうと俺の目を見てにこっと笑った大ちゃん。
そんな姿をみて俺は心が痛んだ。これからあの事実が告げられると思うと心が締め付けられるように痛い。
そこにひかが入ってきた。
ひかは真面目な顔つきで、何か覚悟を決めたような感じ。……言うんだな。あのこと。
光「大ちゃん。具合どう? 」
大貴「なんかすごく元気だよ。不思議なくらいに。ふふっ。」
「ねぇひかみて。入道雲綺麗だね。」
大ちゃんが無邪気に笑う。
そんな大ちゃんと対照的にひかの顔はどんどん暗くなる。
光「……ねぇ大貴。」
窓の外を見ていた大ちゃんだったけど、ひかの大貴呼びで大切なことを話すのだと察した様子。
大ちゃんはベッドに深く座り直した。
大貴「んー?なぁに。」
光「腫瘍が色々な所に転移してて……今の大ちゃんの体を考えると長時間の手術もできない……」
俺でさえ、聞いたときは衝撃的だったのに本人はどれだけのダメージを食らうのだろう。
泣くのか。叫ぶのか。俺だったら泣き喚くな。
そんな状況で。そんな状況に置かれて大ちゃんは
大貴「そっかぁ。大丈夫大丈夫!なんとかなる。もしかしたら明日新薬が開発されるかもだし?」
そう言って笑ったんだ。
大貴「ほーらひか!暗い顔しないでよ〜、俺が死んじゃうみたいじゃんかよ!」
そう言って俯くひかの顔を覗き込んでいた。
するとひかも顔を上げてゆっくり微笑んだ。
光「そーだな!わりぃわりぃ!大丈夫だきっと。あ。俺そろそろ行かないと。」
ひかは大ちゃんに手を振って病室を後にした。
さっきまで綺麗だった入道雲は消え、外では雷が鳴っていた。
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なつめろ(プロフ) - 新作とともに読ませていただきました。本当にどちらも素晴らしい作品で涙が止まりませんでした。新作の方で涼介くんも前を向いて頑張っていることが知れてなんだか嬉しい気持ちになりました。これからも応援しています (2020年1月8日 0時) (レス) id: 23d01b0f83 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - はっちゃんさん» そのような感想を頂けると書いたかいがあります、、( ; ; )最後まで読んでくださりありがとうございました! (2020年1月7日 17時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - 感動する小説やドラマ等を観ても泣きたくても泣けなかった私ですが、この作品ではすっごい大号泣しました…本当に面白くて泣けました。執筆お疲れ様でした。 (2020年1月7日 14時) (レス) id: 0d57913dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ADaiDaijump(プロフ) - 感動です( ; ; ) (2019年12月26日 15時) (レス) id: 89dbc58fb6 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - 初めて読んだ時はまさかこうなるなんて思ってなかったので、実際の終わり方凄く感動して泣きました!あんなに元気だったんだよなぁって思いますよね。とても素敵な作品をありがとうございました!楽しませてもらいました! (2019年11月15日 21時) (レス) id: 5d53199746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2019年4月11日 23時