こんな感じが丁度いい。【小野大輔】

寒くなってきたようで ページ44

『寒い』

｢こたつ出す？｣

『めんどい』




いつも唐突に始まる会話。
どうやら奥さんは冷え性のようです。



｢ココア作ってくるから待ってて｣

『頼みます。』



数分経つと、
台所からほのかにココアの香りが。



｢へいおまちっ｣

『ありがとー。あれ、バームクーヘンなんて何処にあったの？』

｢この前安元くんが奥さんとどうぞってくれたヤツ、冷蔵庫にあるの思い出して持ってきた｣

『おぉありがたい。ちょうど小腹すいてた』



後で連絡しなきゃ、と言いながら
バームクーヘンの袋を開け、
ココアを啜りながら頬張っている。



『やっぱり大輔の作るココアは美味しい』

｢良かった。｣

『最初の頃は飲めたもんじゃなかった』

｢あれはだってAが飲み物は薄目がいいって教えてくれなかったからでしょー？｣

『にしてもあれは砂糖入れすぎ。牛乳あればミルクココアだったけどあの頃丁度切らしてたんだよね』

｢今は美味しいんだからいーでしょー｣

『はいはい、そうですね』



鼻で笑いつつココアを一口。



『あ〜暖まるわ〜』

｢俺も久しぶりにココアなんて飲んだかも｣

『たまにはいいもんでしょ？糖分補給も大事だよ』

｢甘党の割には飲み物薄味よね｣

『いちごミルクはさらに牛乳で悪タイプ』

｢え、初耳なんだけど｣

『言ってないからね。それはそうとちょいと台本付き合っていただきたくて』

｢お安い御用よ！｣




ココアの話で体も心もあったまってきたようです。

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