君の願いを叶えるには。vol.5

#226 こ「さとみくん......非リアだと思ってたのに！！！」← ページ48

さとみside

普通の日常が過ぎるのはとても早い事で。

教室のカレンダーに目を向けると、写真には雪が降っていた。


文化祭が終わって数週間。


＿＿＿＿12月だ。


「冬休みの予定、今のうちに決めとかねぇと...」

るぅととなーくんと集まる予定、
ジェルところんとゲームする予定、
遠井さん家に遊びに行く予定。

.........それと...


「......何見てるのさとみくんっ」
「うおっっ！？莉犬っ！？」

振り返ると赤い耳を生やした低身長の少年。
11月から着ている冬服ももう見慣れた。

「ふーん、カレンダーか...」
「あ、あぁ...もうすぐ冬休みじゃん？予定決めなきゃなーって」
「...............そっか」

俺の言葉に急に無言になる莉犬。何処か顔も赤く、俺も何か気まずい。

そういや、コイツは冬休み女とデートにでも行くのだろうか。
夏はるぅととカフェに行きまくってたみたいだが今回は簡単に行けないだろう。

何故なら冬休みには......。

「＿＿ねぇ、クリスマス一緒に過ごさない？」


そうそう、クリスマス。リア充共の巣窟で...



「.........へ？今、何て？」
「...だから、クリスマス。どっか行こうよ」


顔を顰めつつ、照れながらもいつもの声色で冷静に言う彼に言葉が詰まる。


「(あれ、莉犬ってこんなグイグイ来てたっけ...？)」

誰かがなりすましているんじゃ...そう考えていると耐えきれない、とでも言うように何処かかへ早歩きしていく彼。

「.........嫌なら、良い。クリスマス、馬鹿はボッチで居れば」
「ちょっ、おい！待てコラ！」

前言撤回、コイツは紛うことなき莉犬だ。馬鹿とか言うのはいつもの莉犬。

良かった...病気とかじゃなくて。と安心しつつ。←
コイツの肩を掴んで、こっちに向かせる。


「っ！？ちょ、顔ちけーよ馬鹿！！」
「うっせー阿呆犬。クリスマス、空けとけよ？」

ニコリと笑うと更に顔を真っ赤にする。とても面白い。


「.........分かった...」
「ん？何？聞こえない」
「分かったっての」
「聞こえねーって。何？」

莉犬の反応が楽しくて、ついそう虐めていると、ついにキレた莉犬は大声で


「この性癖！！！」←


と、何ともまぁ久しぶりな暴言を吐く。


「俺は性癖じゃありませーん、特殊な性癖を持った真っ当な人間でーす‪w‪w」←
「ざっけんな揚げ足とんなよクソが！！！！」

ここが教室なのも忘れ、俺達は言い合いをし合った。


それが楽しかったのは、俺だけの秘密である。

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らっきーすとぷりめんばー！

るぅとくん＆ジェルくん

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