先生と私【3年A組】#3

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*Ibuki Hiiragi side*


指定した場所に向かう。
話してる途中に倒れても困るから
薬も持って…。
すると…上下黒の病院着を着て
怠そうに立っている男性がそこにいた。




征『………よーやく来た』

柊『……すみません』

征『春瑚は?』

柊『もちろん、生きてます』

征『他の生徒も殺してない…だろ?』

柊『………』

征『ふっ、怖えー顔
安心しろよ、警察には言わねーよ…
わかってんだろ、アンタだって』




可笑しそうに笑う春のお兄さん。
この計画を色々察しているんだろうか…
景山のドーピング疑惑動画をフェイクだと暴き
血液検査までしてくれたんだからな…




柊『…………』

征『春瑚と俺が……警察が心底嫌いな理由なんて』

柊『……はい』

征『はい、これ
アンタに預ける』




お兄さんから手渡されたDVD-R。
何が入っているのか…想像ができてしまった。
甲斐の母親から預かってきたと言われた時から。




征『俺も見たけど、春瑚からこの時の事聞いてたから
それほど驚きはしなかったが…
………この中に出てくるベルムズって半グレ…
今回の立てこもりの原因の景山澪奈のフェイク動画と関係あんだろ』

柊『………はい』

征『お前に頼みがあるんだけど』

柊『………』




お兄さんは笑顔だ。
だけど目だけは…全然笑ってない。




征『櫻井竜司と櫻井由佳も
社会的に抹殺しろ』




それは春の本当の両親の名前。
その言葉で…本当にお兄さんは
春の事を本当の家族として大事にしているんだと改めて気付かされた。





柊『………ははっ…何を言うかと思えば…』

征『………』

柊『最初からそのつもりです、お兄さん』

征『…………だと思った…
じゃあー、後はよろしく〜
あ………春瑚死なせんなよ、絶対にだ』

柊『もちろんです』

征『……お前も死ぬなよ』

柊『え…………』




言われた言葉に驚き聞き返したが
お兄さんはそのまま踵を返していなくなった。

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