先生と私【3年A組】#3

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さ『あの…
その節は……澪奈を助けてくれてありがとうございました!!』



『わー……さくらって本当に素直だよね…』

香『うん…』



甲『はあ?』

さ『前に澪奈が拐われそうになってる所を助けてくれたんでしょ?』

甲『………』

さ『澪奈があなたの事を恩人だって』

隼『だったら何だよ』

さ『そんな貴方が澪奈の事を陥れるような動画を撮らせたなんて思わないし、何か事情があったんじゃないかって…』



事情…か…
確かに口数は少ないし
何かを隠してるのは明らかだと思うけど…




甲『そんなもんねえよ』

さ『私でよければ相談乗るし、力になれる事があれば協力するから!!』

甲『何言ってんだよ、お前!
何も知らねえくせに首突っ込んで来んじゃねえよ!!』




わかってるのかな?甲斐くんは…
甲斐くんが何も言わないから
ここにいる全員が不安で、何も出来ないから
甲斐くんに頼るしかないのに…。





『っ………何も知らないんだから
こうやって聞くしかないでしょ!!
何も知らないからここにいる全員何もどうする事もできないでいるってわかって言ってる?
アンタが話さなければ、10人死ぬ…』

甲『だからっ!!
うるせぇーつってんだろ!!
何なんだよ、さっきから!!
お前だって何も言わねーくせに!!』

『それは先生がまだ話すなって言うから
先生のタイミング次第で全部話す』

甲『はっ………結局アイツの言うこと聞く人形って事だろ』

『………私は何言われようと…構わない
私は最後まで先生を信じてるから…』

甲『っ…………知るかよ…』




扉の所にいた私と香帆の間を素通りして
甲斐くんは教室を出ていってしまった。
あーあ……上手くいかない……。
どうやって接すればいいのか…全然わからない…。

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