8.フタリメノ美味人。 ページ9
Sside
あの、強い甘い香り。
思い当たるものは、一つしかない。
『美味人』。
数億人に一人の、ご馳走。狙わない訳がなかった。
「美味人…。確か1000年程前、一人喰った気がする。」
1000年前。一番俺が暴れていた時期。人を喰って喰って、喰いまくって。
そうしたら、一人、異様なまでに甘い香りを漂わせる青年が、無数の骨たちの上に立っていた。
…恐怖に歪んだ顔で。
それを俺は、喰った。あまりの美味さに、驚愕した。
黄の鬼なんて、とうに殺していた。あんなに弱いのに、何故守ろうとしたのか。
…よく、わからない。
「そういえばあの美味人…、妙な光を出していたな。」
紫のもの。俺の『束縛』を一瞬で解いてしまうくらいに強い、光。
あれでは迂闊に近づけない。
とんでもなく面倒臭い。舌打ちの音が、やけに大きく響いた。
ふと思い浮かべたのは、あの美味人の顔。…確か、潤といったか。
秀麗。
壊すのを恐れそうな程に。
ふとそこまで思い詰めたところで、今喰おうとしているのに壊すのを恐れるなどと何をほざいているのだと自嘲する。
日が変わったら、彼奴のもとへ行ってみるか。喰うのは早い。
思案しているうち。ふっ、と何かが視線の先を通りすぎた。
「……妖…？」
烏は一匹もいない。最下級の鬼でも数匹は烏がついてくる為、鬼では無い。
しかしここは、鬼などが出入りする次元。人間は入れない。
となれば、妖しか選択肢は無い。
「何故にいる…？」
顔をしかめて、息を吐く。そればかりは理解し難い。
…何故なら、妖は完全に封じ込めた筈だから。
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みゆゆ(プロフ) - 凪潤さん» 読んで下さりありがとうございます(´∀`*)更新、頑張れたら頑張ります(笑) (2015年1月4日 22時) (
レス) id: 9113328206 (このIDを非表示/違反報告)
凪潤(プロフ) - 初めまして。ここまで読んでみて凄く面白いです！更新応援してます！ (2015年1月2日 12時) (レス) id: 685ef5682d (このIDを非表示/違反報告)
みゆゆ(プロフ) - わかさん» 温かいコメント、ありがとうございます(´∀`*)返信遅れてすみません;;わか様の期待に答えられるように頑張ります！(`∀´) (2014年12月29日 23時) (レス) id: 9113328206 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 私は、潤君が好きなので、この作品、好きですよ。これからも頑張って下さい。 (2014年12月26日 22時) (レス) id: f47ad26045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゆゆ | 作成日時：2014年12月24日 15時
