善「二話!女の子見てねぇ!!」 ページ3
『あ、そう言えば。』
善「A?どうしたの?」
あたしは朝ごはんを作りながらリビングにいる善逸に振り返った。
あの野郎、人の家のソファでくつろぎやがって。
『善逸、今日じゃなかった?善逸の好きなアイドルのCD発売日。』
善「そうだよ!Aちゃんの発売日!楽しみすぎて昨日の夜は中々眠れなかったんだから!」
あぁ、だから朝から無駄に元気なのか。
『ほんと、善逸はあのアイドルが大好きだよね。』
善「好き好きっ!もうAちゃんが目の前にいたらご飯100杯いけるっ!」
なわけねぇだろ。
現におまえの視界に入ってるわ。
…なんて事は口が裂けても言えない。
善「俺は歌声も顔も可愛いって思ってるよ。でも一番はAちゃんの笑顔が大好きなんだ。誰よりも可愛い。」
『………。』
あたしはすぐに朝ごはん作りを再開して善逸に背を向ける。
だってあんな幸せそうな笑顔で言われたら、今のあたしじゃなくても嬉しい。
今、絶対に笑顔になりそうでヤバイ。
ブーッブーッ
すると、ポケットに入れていたスマホが振動して画面を見れば、マネージャーから14時に事務所集合って言う連絡だった。
「…はいはい。」
全く。
もうちょっとあたしのマネージャーは気遣いとかないのか。
昨日だって夜遅くまで仕事してたのに。
善「A?何か言った?」
『なんでもない。』
あたしは丁度出来た朝ごはんをお皿の上に乗せてリビングの机に持っていく。
『はい、こっちが善逸の分。』
善「うわぁ!美味しそっ!それにクリーム入りのココア!Aは甘いもの好きだもんね!」
キラキラした目で言ってくるから、とりあえず頷いてテレビをつけた。
善「『いただきます。』」
するとすぐココアに飛びついた善逸。
善「美味しい〜!これからも朝ごはんの時、来てもいい?」
『っ!はぁ!?』
ココアが喉に詰まって咳き込みながら善逸を見る。
朝ごはんって、毎朝来るってこと!?
善「だめ?」
『……必要な食材とかあったら前日に連絡するからその時は買ってきてよ。』
善「そのぐらいお安い御用!」
あたしは上機嫌な善逸の顔を見ながらパンを食べる。
迷惑だよ、そう。迷惑だ。
そう思いたいのに心の中ではバカみたいに嬉しいって思ってるあたしがいる。
『……はぁ。』
本当、今日はよくため息が出る。
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絵宙(えそら) - え、マジかここで終わるんですか。まだ続きがあるのかと、恋実って正体バレたりと…いや面白いから良いんですがでも面白いからこそ続けて欲しいなと………ごめんなさい、ミシェルさん (2020年3月26日 0時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
木苺(プロフ) - 冨岡さんの冨が殆ど全部間違ってる気が、、、 (2020年3月20日 21時) (レス) id: 89ac41ad4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミシェル | 作成日時:2020年1月13日 17時