嘴「十一話?んだそれ?」 ページ12
善「美味しいぃ〜!」
頼んだスイーツが運ばれてきて、善逸は嬉しそうに頬張った。
あんな美味しそうに食べられたら、高くても許せる。
きっとスイーツも本望だ。
『うん。そうだね。』
善「Aってば、そんな真顔で言っても全く美味しそうに見えないよぉ?」
ウヒヒって笑いながらスイーツを食べる善逸にイラっときたけど、怒りを抑えて紅茶を一口飲む。
笑ったらバレるから笑えないんだよ!
そう言えば、善逸があたしの本当の姿を知ったらどう思うんだろ。
…考えたくない。
あたしは気を紛らすために甘いスイーツを口に入れた。
うん。
甘くてとっても美味しい。
善「そう言えばさ、明日なんかある?」
『明日?明日は学校でしょ?』
善「違う。学校のあと!」
学校のあとは…どうだろ。
『分かんない。』
善「ふーん。まぁ、Aアルバイトしてるから明日の事なんて分かんないよね。」
『なに?何か用事?』
善「違う違う!ただ…。」
『ただ?』
善逸はスイーツをすくっていたスプーンをクルクル回しながら俯く。
善「またAと行きたいなぁって…思って。」
『また奢り?』
善「違う!今度は自分で払うから!本当にAと出かけたいだけだから!」
『え。』
出かけたい?あたしと?善逸が?
きっと赤くなってるであろうあたしの顔を見た善逸は、最初は首を傾げてたけどすぐに理解したのか顔を真っ赤にして「あぁっ!」なんて叫んでた。
善「いいい今の忘れて!迷惑だよねっ!?ムカついたよね!?ごめんなさいぃぃ!!」
『うるさい!お店の人やお客さんに迷惑っ!』
あぁもう!
善逸は本当に恥ずかしいこと言うんだから!
そんなこと言われたら、言われたらっ!
『い、いいよ。空いてる日が出来たら連絡する。』
善「え、ほ、ほんと?」
『訂正するよ。』
善「いやぁぁっ!!うそうそ!ありがとうございますっ!」
まったく。
でも、無意識なのかな。
さっき、「いや。」って叫んでたの。
勝手な妄想だけど、あたしと行きたいって言われてるような感じで恥ずかしいけど。
今まで感じたことのないくらい幸せなんだ。
『善逸、善逸のスイーツ美味しそうだから一口ちょうだい。』
善「えっ!?Aったら大胆っ!はい、あーん。」
『自分で食べられるわ!』
善「あでっ!」
思いっきり善逸の頭を叩いてあたしのスプーンで善逸のスイーツを一口食べた。
善逸は目の前で「A〜っ。」なんて言ってくる。
…善逸のバカ。大バカ。
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絵宙(えそら) - え、マジかここで終わるんですか。まだ続きがあるのかと、恋実って正体バレたりと…いや面白いから良いんですがでも面白いからこそ続けて欲しいなと………ごめんなさい、ミシェルさん (2020年3月26日 0時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
木苺(プロフ) - 冨岡さんの冨が殆ど全部間違ってる気が、、、 (2020年3月20日 21時) (レス) id: 89ac41ad4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミシェル | 作成日時:2020年1月13日 17時