戻らない93 ページ3
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
『...!』
室内に響くチャイム音。
職場から戻ってきたAは一息ついていた体を持ち上げ、
ゆっくりと扉に近づいた。
扉の穴から外を覗くと、見覚えのある男の姿がそこに居た。
ｱﾗｽﾀｰ「やぁA!
黙って出ていってしまい申し訳ない!
君があまりにも気持ちよさそうに眠っているものでね!」
朝から元気だな。
そんなことを思いながらアラスターを見ると、
彼の手には大量の荷物があった。
Aの視線で大体思っていることが予想着いたのか
これは家から持ち出した必需品だ、と言葉を続けるアラスター。
ｱﾗｽﾀｰ「今日から暫くお邪魔させて頂くので!
...なんせ、この傷の面倒を見て貰わないといけないので」
ガバリと襟を引っ張り、包帯で巻かれている箇所を彼女に見せてから家の中へ上がった。
そう、あくまでも彼がここに滞在する理由はこの傷だ。
この傷が治ってしまえば、きっと彼は元の家へ戻ってしまうだろう。
また1人になってしまう、そんなことを考えているとどんどん気持ちが落ちていく。
そんな彼女の事なんて気にせずアラスターは荷物を何処に置くか、彼女の名前を呼ぶ。
ｱﾗｽﾀｰ「自分用のカップがあるのですが、これはどこに置きます?」
『えっと、そこの食器棚でお願いします。
空いているスペースで』
ｱﾗｽﾀｰ「ここでよろしいですか?」
『は、はい。
...!』
徐々に部屋に置かれていく彼の私物。
寂しかった部屋が少しだが賑やかになったような気分になる。
そうか...少しの間だが独りじゃなくなるんだ。
ちょっとだけだが心が少し軽くなり、自然に口角も上がった。
そんな彼女の様子をアラスターは横目で覗き、
彼女を殺すまで、そんなに時間は掛からなさそうだと心の中で呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 621人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めかぶ(プロフ) - コモ(=´∀｀)Wさん» こんにちは!!コメントありがとうございます!!そう言っていただき嬉しいです!!アダムとアラスター、2人ともいいですよねぇ!!捨てきれません!!今後ともよろしくお願いいたします!! (5月7日 22時) (
レス) @page43 id: 0de0e60a83 (このIDを非表示/違反報告)
コモ(=´∀｀)W(プロフ) - すごく面白いです!!!アダムもアラスターも推しなのでこんなに理想的な小説に出会えて嬉しいです!更新待ってます! (5月4日 19時) (レス) @page28 id: e059f57a83 (このIDを非表示/違反報告)
めかぶ(プロフ) - るるさん» 初コメありがとうございます!ハズビンホテルいいですよねぇ!!私もハマりにハマっちゃいました笑この小説も共に楽しんでいただけると嬉しいです!! (4月25日 22時) (レス) id: 0de0e60a83 (このIDを非表示/違反報告)
めかぶ(プロフ) - ものくろさん» こんにちは!いやん!今まで見た小説の中で1番だなんて嬉しすぎます!ありがとうございます!! (4月25日 22時) (レス) id: 0de0e60a83 (このIDを非表示/違反報告)
めかぶ(プロフ) - アイリスさん» 初めまして!ご返信遅くなってごめんなさい!素敵な小説だなんて!ありがとうございます!今後もよろしくお願いします!! (4月25日 22時) (レス) id: 0de0e60a83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めかぶ | 作成日時：2024年3月24日 23時
