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「少しだけなら……
“軍や警察にも頼れない危険な依頼を担当する、昼の世界と夜の世界の間を取り仕切る探偵集団。”
とか“社員の多くは異能力を持っている”
だとか色んな話を聞くけど、てっきり都市伝説だと……」
『其の噂は全部本当ですね。私、其処の異能持ちの社員なんです。
……信じられませんか?』
私がそう尋ねると、何か心当たりがあるかのように彼は口を開いた。
「ダチに、“過去にタイムリープして来た”とかいう奴がいてさ。
最初は信じらんねェって思ってたけどそう考えると辻褄の合うことばっかりで。
ソレも“異能”ってやつなのか?」
『ん〜、可能性はなくもないですが…
此の目で見ないと何とも……』
ドラケンさん、其のご友人のことが屹度大好きなんだろう。普段は鋭い表情が今は穏やかだ。
「すぐそこのレンタルDVDショップで店長やってんだとよ。機会があれば行ってみてくれよ。」
『分かりました。
生憎今日は休日では無いので、お仕事が休みの日にでも。』
「_____あ、でもまだ12年経ってねェな。
会うなら今年の3月とかにした方がいいかもだわ、」
『それは……彼の力の特徴とかですかね?』
そう尋ねるとドラケンさんは「12年後の今と過去にしか行き来出来ねぇんだとよ」と答えてくれた。
是だけ聞くと随分不便な能力だが、
過去を変えることの出来る力だ。知れ渡れば悪用する人も出てくるであろう危険な力。
『まぁでも、何かお力になれることがあれば何時でも。
探偵社に来ていただいても構いませんし……』
そう云い乍らドラケンさんの小指に触れる。
『是で私の異能の発現条件は揃ったので、強く念じて
いただければ何時でも逢いに来ますよ。』
こんな風にね、と私は少し離れた所からドラケンの元までワープして見せた。
異能を見たドラケンさんはすげぇすげぇと大興奮でとても楽しそうだった。
大分話し込んで仕舞った為にお菓子を買いに行くのを忘れていたことに気づいた私は慌てて立ち上がる。
『私、お仕事中なんでした…
今日はこの辺でお暇させていただきます、
お手数お掛けしますが、バイク宜しくお願いします。』
そう彼に告げる。
「こっちも仕事だからな、気にすんな!」
ニカッと佳い笑みを見せてくれた彼はさぞ多くの人を虜にしてきたであろう。
そう思い乍ら、ドラケンさんのお店を後にして
近くの駄菓子屋さんやお店で大きな袋いっぱいにお菓子を買い漁った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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作者名:ももも | 作成日時:2021年8月23日 5時