梵天に追われ中の探偵社員【東リべ･文スト】 (ページ8)

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ヨコハマから東京までバイクを走らせて大分経った。

目的地に着いた私はバイクから降り、手で押し乍ら足を進める。

“D&D”

と書かれた店の扉を開く。

『失礼します……

ドラケンさんいますか……？』

控え目に声を発すると、
奥の方から

「お？……Aちゃんじゃねぇか！！

久しぶりだな！！」

と声が聞こえた。

相変わらず頭に入った龍の刺青が輝いている。

『えへへ、中々顔出せなくて済みません。

あの、今日来たのは他でもなく……

此の子の傷、直して欲しいんですけど……』

そう云ってバイクに入ってしまった傷をドラケンさんに見せる。

「こりゃ派手にやったな……

直すのは良いが代わりのパーツが店に入るまでに時間がかかりそうだ、

数日預かっても平気か？」

部品(パーツ)が沢山載った資料と私の愛車を交互に見乍らドラケンさんはそう云った。

『はい、構いません。

あと、最近忙しくて余りお手入れ出来て無いんです。
言い値で構いませんので、其方の方もお願い出来れば……』

「前々から思ってたんだけどよォ、」

私の話を遮って、ドラケンさんは急に、何やら重苦しい口調で私に話を振ってきた。

『如何されました？』

「触れねェ方が良いのかなって思って聴いてこなかったが……

このバイクのキズ、どう見ても銃痕だろ？……Aちゃん、仕事何やってんだ？」

今まで、バイクに大量の銃痕や刀傷などを付けた時も此処で直してもらったが何も聴かれなかった。

こんな怪しい客にも深入りして来ないドラケンさんの性格に心地良さを感じて此処に通っていた。

が、流石にこう何度も続くと彼の知的探究心が勝ったのだろう。

元々此方は隠す気も無かったので正直に話しても良いがどうせなら

ﾁｬｷ

『あーぁ、気づいてたんですか。』

彼の背後に立ち、頭に護身用に持ってた銃を突きつけてみた。

「!!」

『大人しくして下さい、ね？』
.

.

.

少しの間そうしていた。

でもまぁ、私は治くんのように人を騙して楽しむ趣味は無いので

『……とかやって見たりしたら其れっぽいですかね？』

と、おどけて笑って見せた。
ドラケンさんは驚いた様子で固まっている。

「……こりゃタダモンでは無さそうだ」

一先ず安心してるようだけど、
未だ少し緊張感が残っているような彼。

『まぁ所謂、悪い人ではないですよ。

_____“武装探偵社”はご存知ですか？』