梵天に追われ中の探偵社員【東リべ･文スト】 (ページ2)

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黒と灰が、出会う時。ページ2

いつも通り仕事をこなして

いつも通り治くんが仕事しないから残業して

いつも通りへとへとになりながら

いつもとは違う帰り道を選んだ今日。

今になって考えてみたら、いつもとは違う帰り道を選んだ時点でもう惹き付けられて居たのかもしれない。

____その"異質"な存在に。

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ﾊﾟｧﾝ!!

帰宅中、発砲音が聞こえた。
魔都と呼ばれるヨコハマでは何も珍しいことではない。

勤務時間外だし疲れているし、普段なら軍警にでも任せて帰っている。

でも何故だか今日は"異質"なものを感じて…

……覗きに行ってみよう。

音の方へと足を進めて数分。
狭い暗い路地裏へ足をすすめる。

埃臭い其処に居たのは手配書に載っている犯罪者芥川龍之介と、桃色髪の男性だった。

何やら一触即発な雰囲気。
見て直ぐに理解った。
気になっていた“異質”な存在は、桃色の彼だったようだ。

…おそらく彼はヨコハマの人ではない。

芥川の顔を見てもピンとこないなんて、此処の人ならまず有り得ない。彼は有名な指名手配犯である。

芥川に目をつけられるなんて彼は何をしたのか。

その時芥川が羅生門を使った。
否、使おうとした。

『厭、一般人に其れはダメじゃない！？』

彼を護らねば。
その一心で思わず大声を発して仕舞った私に、

芥川も男性も驚いたように此方を見る。

「……Aか？」

『普段なら見過ごしてたけど、
一般人に手を出すなら私も黙ってないから。』
そう言って男性を護るように芥川の視線に入る。

一見無害そうな私とどう見ても悪人な芥川が知り合いであることに驚いたのか、

はたまた自分より明らかに小柄な女が間に入ったことに驚いたのか、

夜中にメイド服を来た女が歩いていることに驚いたのか分からないが、男性は呆然としている。

芥其方が其の気なら構わん、僕は気にせず行くぞ」

『君じゃどう頑張っても私には勝てないでしょ。』

私がそう告げると芥川は怒りを堪えたような表情になる。
身に覚えがあるのだろう。

『第一治くんに相手されない君と、中也に認められてた私。差があるのは当然じゃない？

ハンデがあって佳いくらいだよ。』

其れを聞いた芥川は怒りに任せ羅生門で攻撃を繰り出してくる。

避けようとしない私に対して

「テメェ、危ねェぞ！！」

と桃色の彼が叫んでいる声が聞こえた。

『大丈夫。私、強いから。

異能力……【否、君を思ふ】』