16 :汚れずの好中球と迷子の赤血球 ページ17
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樹状さんのお茶を啜り、息を吐いた。
ここ最近、あの日から雑菌共に出くわさない日々が続いている。平和だ。
それに並行して、あの日から赤血球やシロと遭遇していない日々が続いているのだが。
...別に寂しいとは思ってない。断じて。
樹状さんに別れを告げて血管を歩くと、忙しそうに赤血球達が酸素や栄養を細胞に運んでいた。
...赤血球って大変だよなぁ...。
だって、栄養や酸素を細胞運んで、二酸化炭素を肺に運んで循環しているのだから。
赤血球たちの働きが無けりゃこの体内は維持出来ない。
それを外敵から守るのが白血球の仕事だと、骨髄球の時によく聞かされたものだ。
骨髄球時代には、それはもう苦い思い出しかないのだが。
「ああっ！すみませんすみません！」
赤血球の波から、聞き慣れた叫び声が聞こえた。
...もしかして。
細胞達の間をかき分けていくと、地図を上下にひっくり返しながら顔を顰める赤血球の姿が見えた。
「...何してんの」
「あっ、く、クロさん〜！」
僕に気付いた赤血球が泣きそうな顔で此方に駆け寄って来た。
そんな助かったみたいな目で見られても...。
「また迷子？」
「は、はい...お恥ずかしながら...」
足の表皮細胞の方に行きたいんですが...と顔を顰める赤血球。
いや、ここ咽頭なんだけど...。
「この先脳や眼球しかないよ」
「ええぇ！？そうなんですか！？」
この赤血球の迷子スキルは最早神がかっているなぁ...とぼんやり考えながら涙目の赤血球を見つめる。
何度道を間違えても諦めずに配達し続ける姿は、素直に凄いと思うけど。
...仕方ないな。
「...足の表皮細胞までは無理だけど、そこに繋がるエスカレーターまでなら案内するから」
だって表皮細胞とか1番雑菌共が入ってきやすいし。と心の中で思うが決して口には出さない。
といっても結局、彼女の助けを求める目に負けてあの日から2回目の道案内をする事になったのだった。
17 :汚れずの好中球と道案内→←15 :汚れずの好中球の機嫌直し
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海藍 - 凄い、、、 (5月21日 23時) (
レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
仁兎 - 鶴丸国永が出てニヤニヤしてしまった…えへへ (2020年7月12日 10時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - あああもう展開分かっちゃったふふふふ← (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空みや(プロフ) - ぷらんくとん。さん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただきありがとうございます♪このあとの話もお楽しみに！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7eb3a685bd (このIDを非表示/違反報告)
ぷらんくとん。 - 更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 11時) (レス) id: 4eb7efbf3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼空みや | 作成日時：2018年8月21日 3時
