さよなら独歩さん

足 ページ7

ゆっくりと震える手を家のドアにかける

息少し吸い込んだ

あぁ・・・どうしよう
家についてしまったのだ


もう少し考えてゆっくりと歩けばよかった

とりあえず朝いきなり出て行ってしまったことを謝らなければ・・・


「独歩！」


ガチャリとドアを開け勢いに任せて言葉を発した

だが、ごめんね！とつづける前に言葉が消えてしまった


家の中にあったはずの独歩の荷物がないのだ









「嘘・・・・」

部屋の奥にいっても、どの部屋を見ても見てもないのだ




急いで独歩に電話を掛ける




なんでよ


なんでなの





「もしもし〜？

あっ独歩さんの彼女さん？」









黄色い声に耳が痛くなったのか涙がとめどなくあふれてくる







電話越しに聞こえる独歩の焦った声

なんでそこまでするの？




あぁ、後悔させようだなんて考えた私がばかだったの？？









ガタリと無機質な音を立てて私の手から滑り落ちたスマホを持ち直し




「ね・・・ぇ

どっぽ・・・にかわって？」



「きゃははっ独歩さんに代われだってぇ！！」




震えあまりでなかった声


相手の女の声は高くうるさい

こういう人がすきだったのね


前少し見たときはおとなしそうだったのに









「・・・・なに？」


少し怒ったような不機嫌な声に涙がさらに出る

そんなに話すのが嫌なのね



「ごめんねなにもわかってなかった




わかれよ・・・ね」




嫌に悲しい言葉をいうことになるなんてね



言葉に詰まったのか何もいわなくなった彼との沈黙の間に少し落ち着いた私は少し微笑みながら






「さよなら独歩さん



ごめんね」





そういって通話を切った









大好きなのに









「うわぁぁぁぁ
なんでなんでなんで




なんでなの




ごめんなさいぃぃ」

..｡.:.+挨拶→←指

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