さよなら独歩さん

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乱数さんは私の手を握りながら目に涙を浮かべ話し始めた





「君は観音坂独歩っていう男の人と付き合ってるんだ
でも君は彼が他の女の人と浮気しているところをみて知って
深く傷ついて僕のところへ来たんだ」



まるで子供に話すように私が泣かないようにと優しく言う
やめてよ、



胸の痛みのせいか涙が出始める


とまらないよ

「そして君は僕に言うんだ。記憶を消してほしいって

逃げたんだ」



ぽたぽたとどちらのかも分からない涙が手に落ち、伝って地面に落ちる

握られてないもう片方の手の甲で拭うが意味がなかった





なんで・・・私は何を逃げてしまったんだろう


記憶が一気に流れ込んでくる


全て終わってしまったことなんだ

終わりが怖くて逃げて、乱数に頼って

逃げて逃げて



また独歩を好きになったんだ

元も子もないや



ぐずぐずとさっきよりもひどくなった私を抱きしめ乱数は囁いた





「でもね、それは間違いだったんだよ」



「え」



驚き顔を上げるとパッと顔を手で覆われ隠された


どういうこと・・・？








「君はただ一方的に逃げてるだけ、なにも解決してないでしょ？
傷ついてボロボロになった君はもう見たくない

それ以上にずっと引きずって落ち込んだままのAはみたくない」


君なら意味わかるはずだよ。と頭を優しく撫でられる




「駅前の＿＿＿＿＿に彼はいるよ」




さぁいっておいでとくるりと体の向きを変えられ背中を押された









＿＿＿＿＿＿＿＿＿




＿＿＿＿＿




＿＿＿

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