さよなら独歩さん

意識 ページ12

震えて掠れた声、無理やり押さえつけられた身体、下半身のほうで必死に腰を振る男達


どろどろとしたものを感じながら必死に現実から目を背けようと瞳を閉じる
息苦しさを感じるほど男の欲望に満ちた空間に絶望を感じた

刹那、私は目を見開き、男をみる

「ゃめ・・・・て・・・っ」

ぐっと何を思ったのか男は私の首を絞め始めた
後ろにいる男たちはただニヤニヤしながらこちらを見てるだけで止めもしない


私死んじゃう


ねぇ、殺さないで

おねがい


この逃げられないであろう状況で馬鹿な私は頭の中で叫んだ



ただただ、たすけてと


数分間され続け
ゆっくりと閉じようとする自分の目を恨む





「なにしてるんですか？」





ふと聞こえた知らない男の人の声

自信がなさそうで弱弱しい声

どこか懐かしさが残る声







首に込められた力が弱くなり、気道に一気に酸素が流れ込み咳き込む

「え」



そんなことが聞こえたからか、ただ見えてしまったからか男の人の驚いた声が聞こえた


「やばい」
「どうする」



コンクリートの建物の並ぶ薄暗い路地裏、人は来ないと踏んでいたのか周りの男たちも焦り始めた


声をかけてくれた人を見てみたいのに意識がするりと身体から抜け出てしまう






男の人の怒る声、なぜか私の名前を悲しそうに震えた声で呼んだ声








あぁ、お礼いわなきゃ
死ななくて済んだ





大切そうに私を抱きしめる男の人の背中に手を回した瞬間意識が途絶えた

指→←無

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