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さすが男性と言ったところか


「…走るの…はや…い…」


私はニキさんにぐんぐんと差をつけられる。



体力的にもあちらの方が上。
それに歩幅も違う。


とりあえず私に出来ることは
ニキさんの後ろ姿を見失わないように全力で走ること。



ぜーはーと呼吸が乱れ始め
私が完全にバテてスピードが緩まり始めた時、
ニキさんは煌びやかな外観をした建物内に入って行った。



「も、う…むり…。」


肩で息をし建物のすぐ側に設置されていた
自動販売機に手を付きズルズルとしゃがみ込む。


取り敢えずあの二人が
建物の中から出てくるのを待とう。


その間に乱れた呼吸をただそう。



鞄からお財布を取りだし自動販売機で小さめのペットボトルのお茶を購入する。
炭酸飲料を購入していたがもう温いので冷たいのが飲みたいのだ。

カラカラに乾いた喉に水分を流す。



立っているのが辛いためもう一度しゃがみ込み
自動ドアが開閉する度に漂ってくる
タバコの臭いとパチスロとかそうゆう
お店特有の騒音に顔を顰めながら二人が出てくるのを待つ。



腕時計をパッと見ると16時を過ぎたところだった。



髪の毛や衣服に臭いが移ると嫌なので
少し離れた駐輪場に移動して出入り口を見ているとやっと二人が出てきた。



ニキさんがお財布を持ちながら怒っている。



キレながらわーわー騒いでいるニキさんに
少し怯えながらも私は二人に近づく。




「…あの!スマホを返して頂けませんか?…あっ」



思っていたよりも大きな声が出て
二人の会話が止まった。



ニキさんは目をぱちくりさせながら
なんでここにいるの?と言いたげな顔をしている。



燐音さんもニキさん同様、かなり驚いていた。



「私のスマホ、ニキさん持ったまま走って行っちゃうので追いかけて来たんです!」



私より身長の高い二人を見上げながら話して
ニキさんの手に握られたままのスマホを指差す。



ニキさんは私の指さす方へ視線を向け
自分が薄い桃色のスマホケースを握っていることにびっくりしたのか大きく目を見開き慌てた様子で私に差し出した。



隣で燐音さんはキャハハと
毎度お馴染みの笑い方で愉快そうに笑った。



いや…キャハハじゃないんですけど…。

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作者名:ミヤノ x他1人 | 作成日時:2020年9月4日 0時

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