先輩は俺がもらうんで 【二口堅治】

06.欲 ページ6

翌朝。




朝練に先輩はいた。




俺と同じ学年の滑津と喋っている。




昨日の夜道での話はなんだったんだ ってくらい明るい。




ひとまず安心した。






午後。


俺の好物であるすっぱいグミを頬張っていると、A先輩が教室に来た。




「あ、二口くんと青根くんに用があるんだけど」





「えと、何すか」


見慣れない先輩の制服姿に思わず、ドキッとしてしまう。



「はいコレ」




先輩が差し出したプリントには、

『インターハイ予選 トーナメント表』

と書かれていた。


そっか、もうすぐインターハイ。


「あ、あざっす」



「うん、


じゃあね」




「え、あ、」



何か急いでいるのか、すぐに去ってしまった。




少し話したかったけど部活以外で先輩に会えたことが、
何よりも嬉しかった。




「…………」



「……何だよ、青根」



強い眼差しを送ってくる青根。


……ロックオンされてる気分。





「……いや、何もない」



「……？」




青根が、何か言いた気な顔をしていたのは分かった。





……もしかして好きってバレたか！




……いや、それは無いか？




じゃあ＿＿＿




♪〜♪〜♪




気持ちが交錯する中、昼休みが終わった。

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