REBORN † 愛してるから、許さないで (ページ9)

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ディーノSide

飛び込んでみたはいいけど……あれ？

おかしいな、何処にも居ない。

頭を捻りながら、浮上してみて…愕然とした。

エンツォの甲羅の上に……恭弥はいたから。

あの凶暴なエンツォの上に。

さらには、恭弥の頭の上に、黄色の小鳥まで乗っていた。

「どうしたの？飛び込んできて。末期？」

「違げぇよ！！」

心配して飛び込み、水浸しになった奴に、この仕打ち。

やっぱり、恭弥は涼乃の息子だ。

「つーか、なんでエンツォと仲良くなってんだよ」

「さぁ。沈んだとき、すぐに助けてくれたんだ。恩を仇で返したりはしないよ」

恭弥が言うには、沈んだ後、エンツォの甲羅の上に乗せられ、浮上したとか。

まぁ、大事にならなくて、良かった。

「……それで？次は、貴方？」

そう言いながら、恭弥はトンファーを輝かせる。

黒光りしたそれが、なんとも恐い。

でも、まぁエンツォが相手にならないなら、

「……OK、OK。やろうか」

俺がやるしかないんじゃないの。

本当は、人間以外と戦ってほしいんだけどな。

俺は、ざぶざぶと陸に上がりながら、上着を脱ぎ捨てた。

「来い……！」

鞭を構え、恭弥を迎える。

彼は、嬉しそうに笑った。

……その笑みが、何故か可愛く見えて…、俺は慌てて、首を振る。

「……なに？」

「い、いや！なんでもねぇよ！！」

なんだ今の笑み！

どきっとすんな、俺！

コイツは男なんだぞ！！

「…………」

恭弥は、俺をジーっと見つめてくる。

その視線を浴びて、ドキマギしていると、

「……キモい」

と、暴言を。

た、確かに、今の俺、気持ち悪い。

けど！

「んなこと言うなよ！傷付くだろ！」

「そんなの知らない」

「お前、なぁ！」

溜め息を付いた、直後。

影が動いた。

「！！」

咄嗟に、鞭でカバーする。

恭弥が、トンファーを打ち込んできたのだ。

「……早く、相手して」

「おう」

戦闘狂に振り回される、修行期間。

たまにはいいかな……なんて思ってる自分がいて、なんだか不思議な気分だ。