REBORN † 愛してるから、許さないで (ページ5)

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Trick or Treatで、kissをして[1] ページ5

特別、ハロウィン版です！

ネタバレあり。ラブラブでふ。

†

「Aー、ハッピーハロウィンー！」

書類に落としていた視線を、声のほうへ向ける。

ニパっと、笑いながら、応接室に不法侵入してきたのは、山本武だ。

「……こんな時間まで、なにしてたわけ」

現在、19時。とっくの昔に、下校時間は過ぎている。

それなのに、悪びれもせず笑顔で、風紀委員長に絡みにくるなんて……良い度胸してるよ。

「やー、あのさ、教室で寝てたら、いつのまにか、こんな時間でさー」

「…馬鹿」

ポツリと、僕は呟く。

ホント、馬鹿じゃないの。

こんな時間まで、目を覚まさないなんて。

「あー、Aー。そんなコト言って大丈夫なのかよー」

ニヤニヤしながら、馬鹿が言った。

気味悪い笑みを浮かべたまま、彼は応接室の机に腰をかけて、僕をじっと見つめ、

「Trick or Treat！」

勝ち誇った表情をして、言うんだ。

「……」

お菓子をくれなきゃ、悪戯しちゃうぞ…ね。

この顔は、僕がお菓子を持ってないと確信しているらしい。

「……はい。お菓子」

僕は、机の下に置いていた鞄から、小さな飴を彼に差し出した。

勝ち誇ったアホ面が、驚きに塗り替えられる。

「えぇええーーっ！！なんで持ってんだよー！！」

「キミとミヤビが徘徊してたら、何されるかわかんないからだよ」

昨日の夜中に、わざわざ買いに行ったんだよ。

馬鹿二人のせいで、余計な出費じゃないか。

僕が溜め息をつくと、渋々といった様子で、飴を受け取った山本が、

「ちぇー。イロイロ悪戯しよーと思ったのに」

そう呟いたのを聞いて、僕は、本気で買いに行って良かったと胸を撫で下ろした。

山本が、飴を胸のポケットに仕舞うのを見ながら、僕は言った。

「……ねぇ、山本」

「んー？」

「Trick or Treat」

彼は、また目を見開いた。

開いた口から、漏れ出る言葉。

「嘘だろ……あのAが！」

「失礼な。僕だって、遊びたいときがあるさ」

「ダメだかんな！さっき貰った飴はやらないぜ！」

いや、さっきあげた飴を返されても…。