REBORN † 愛してるから、許さないで (ページ3)

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ミヤビSide

ゆっくり、竹刀を掲げた。

「待てよ、ミヤビ…！武具くらい！」

「やだよ、いらない。キミが要るのなら、つければ？」

そう言うと、彼は、ムッと表情を固くした。

どうやら、負けず嫌いは本当らしい。

「じゃぁ、いいじゃん……殺り合おう？」

私は笑う。多分、口元だけ。

そうして、竹刀を手離した。

ゆっくりと、落ちていく竹刀。

山本が、目を見開く。

そんな彼に、竹刀の切っ先を向けて、

「時雨蒼燕流…三の型。遣らずの雨」

膝で、蹴った。

竹刀は、真っ直ぐ彼の顔に向かって、放たれた。

彼の視線は、竹刀に釘付けになる。

私は、駆け出した。

彼の死角に回り込むように、迂回しながら。

山本クンが、愚かにも、後ろへ大きく後退した。

馬鹿だな。前から来たのなら、横に避けなきゃ。飛来物の進行方向に逃げる馬鹿が何処にいるの。

トン…。

案の定、彼の背は、飛来した竹刀と共に、壁についた。

私は、飛び跳ねた。

ﾀﾞﾝ!!!

彼の体を跨ぐように、壁に足を付ける。

目を見開き、臆する彼の顔のすぐ横、竹刀が突き刺さっている。

それを引き抜き、一度、距離を取った。

適度な間合い。

そこから、駆け出す。

竹刀を、両手で持って。

「時雨蒼燕流、一の型。車軸の雨！」

彼の喉首目掛けて、突く。

彼は、たどたどしい足取りで、それを避ける。

私は、その覚束無い足に、自分の足を引っ掛けた。

「わっ！！」

どて、と転ける彼。

その頭に、竹刀を降り下ろした。

時雨蒼燕流を使わなかったのは、武士の情けだ。

「痛ぇ！」

わぁ。

叫ぶ暇があるなら、避けなよ。

追い討ちをかけるように、転けた彼の頭に、踵落としを食らわせた。

ｺﾞﾝ!!、と鈍い音を立てて、踵に重い痛みが響く。

と。

「っ……ぁ…！」

山本クンの体が、床に落ちた。

意識を失った彼に、私は、竹刀を振り上げ…………、