REBORN † 愛してるから、許さないで (ページ16)

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それから、何日かたった。

『すぐに攻撃しようとするな。ギリギリまで引き寄せて、渾身の一撃を放て』

『へぇ。お前の武器、面白いな。使い方次第で、“矛”にも“盾”にもなる』

『休めるトキに、ちゃんと休めよー。電池が切れたみたいに、意識を失うのだけは、勘弁してくれ』

とか……嫌って言うほど、聞かされた言葉。

やっぱり、僕は跳ね馬が嫌いだ。

そんなある日。

暗い森で、戦っていたその時……歌が鳴り響いた。

『緑～たなびく、並盛の～～♪』

ぴたっと、互いの動きが止まる。

集中してたから、より敏感に。

「……恭弥のか？」

「…」

僕は返事もせずに、懐からケータイを漁る。

そうして、出た。

「……もしもし？」

『もしもし……恭さん、大変なことが起こりました…』

「…なに」

邪魔をしないでって、言おうと思ったんだけど。

下らないことだったら、咬み殺す。

『並中が……破壊されつつ…あります…』

「！？」

は？

「なに、どういうこと？」

『詳しくは分かりません……俺も、今、気付きま…した…から』

「…………テツ？」

様子がおかしい。

テツの呼吸は激しく、声は消え入りそうだ。

『…い…いえ、なんでもありません……！』

「怒らないから……言ってよ」

『…………それが…』

今、上下関係が明瞭に見えた。

すごい躊躇いの後、彼は言う。

『……並中が、何者かに占領され、中の状況を確認出来ません』

……何者かに、占領…ね。

「分かった。すぐ行く。キミはもう帰りなよ」

『で…ですが……』

「僕が休めと言ってるのに……聞かないつもり？」

『………すみません、恭さん』

彼は、謝ってから、電話を切る。

ツー…ツー…と、虚しい音を切り、僕は駆け出した。

勿論、それを制そうとする跳ね馬なんて、無視して。